研究課題
強酸性胃内に慢性持続感染するピロリ菌はgenetic diversityが著しく、環境適応により様々なmutantsが出現しmassとして生存(H. pylori flora)し、その結果生じる生物学的多様性は多彩な病態に深く関与していると考えられる。さらに、特殊な環境下で生育できるピロリ菌のゲノムは大腸菌の約1/3程度で他細菌と異なる固有機能を有すると思われる。本年度はピロリ菌のgenetic diversityおよび生物学多様性(病原因子CagA、運動性、形態など)にファージが関与することを世界で初めて証明し論文掲載に至った。特にファージ感染株とそのファージ脱落株の比較解析で新たな知見が得られた。期間全体を通じて、本菌固有の細胞分裂・形態制御機構の一部をも解明し論文掲載した。その本菌固有機構は1. MinDはNO system(染色体上でのFtsZ集積・polymerizationを阻害する制御機構:nucleoid occlusion system)に関与すること。2. MinCはFtsZ凝集(Z-ring polymerization)に関与し、minC, D共に細胞中心部での分裂に必須であること。3. MinEはピロリ菌のPCD(programmed cell death)と考えられるcoccoid形成に関わるが、分裂部位(中心部)の決定因子ではないこと。4. MinCはFtsZの分解・安定性にも関与することである。
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