研究課題
今年度は、取集した3種類のXa阻害薬服用患者の血漿サンプルについて、Xa阻害薬血中濃度,RITG(ratio of inhibited thrombin generation)、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)および血栓マーカー(D dimer, フィブリンモノマー複合体:FMC)を測定し解析した。Xa阻害薬の血中濃度は、テストチームヘパリン(積水メデイカル社)を利用してそ測定した。RITGは希釈PT(dPT)を用いて、RITG=(患者dPT-コントロールdPT)/コントロールdPT x 10で求めた。rivaroxabanサンプル593検体、apixabanサンプル471検体、edoxabanサンプル310検体を用いて検討した結果、各Xa阻害薬の血中濃度はRITGと良好な相関を示した。健常人50名から算出したRITG基準値は-23~12であったが、RITG基準値以下のサンプルではトロンビン産生マーカーであるF1+2が増加するもサンプルが多かった。それぞれの相関式(Y:RITG、X:血中濃度)は、Rivaroxaban: Y=0.61x-8.42(血中濃度との相関:r2=0.51)、Apixaban:Y=0.35x-4.00(r2=0.45)、,Edoxaban:Y=0.64x-11.3(r2=0.75)であった。また、RITG<-23では血栓マーカーであるFMCが異常高値となるサンプルが比較的多かった。以上から、てXa阻害薬による抗凝固効果の過不足をRITGを用いてスクリーニングすることが可能と考えられた。また、3種類のXa阻害薬の抗凝固作用をRITGを用いて横並びに検討することができた。RITGを確認試験として、より有効な抗凝固療法が可能となると思われた。今後、実臨床においてRITGを用いた抗凝固療法の有用性を検討したい。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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