研究実績の概要 |
スギ花粉特異的IgE 陽性のスギ花粉症患者約200名を対象とし、スギ花粉舌下液を用いたSLIT を2年計画で開始した。治療実施前(実施済み)、中および後に数回採血し、血清、血球および遺伝子(RNAおよびDNA)を採取する予定である。2年間の治療終了後に、臨床症状やQOLスコアにもとづいて有効性を評価し、極めて有効性の高い患者約30人(著効群)と全く症状改善がみられない(または増悪した)患者約30人(無効群)を抽出する。 治療開始前の患者血液の一部から密度勾配遠心法により単核球画分を分離後、細胞表面マーカーであるCD3, CD4, CD8, CD14, CD16, CD19, CD25, CD123, CD11c, BDCA-1,およびBDCA-4 等に対する蛍光標識抗体で染色し、セルソーティングシステム付きフローサイトメーター(FACSAria 、BD バイオサイエンス社)を用いてT 細胞、B 細胞、骨髄系樹状細胞、形質細胞様樹状細胞、好塩基球および好酸球などの存在比率を確認すると共に、それらの細胞を分取してRNA 保存液中で保存する。この作業を全ての患者について実施し、治療終了後の比較解析に供する。 患者血液からゲノムDNA を抽出しゲノムワイド遺伝子多型解析に供する。特に、発現遺伝子や蛋白量との相関性が高いといわれるCNV について、Human HapMap DNA NA19000 (Japanese,Male)コントロールDNA を対照としたHuman CNV マイクロアレイ(Agilent 社)による解析を行う。これを著効群および無効群患者について実施し、治療効果予測アルゴリズムの作成および血清パラメーターおよび発現遺伝子との統合解析に供する。
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