研究課題
前年度課題研究達成のために肝性リパーゼ(HTGL)を簡便に測定できるELISA系を確立した。この測定系は従来法と異なり、試料採取の際にヘパリン静注を必要とせず血清を試料としてHTGL蛋白量を測定できる系である。今年度は、その測定系を用い、ヘテロ家族性高コレステロール血症(FH)患者(n=17; 年齢64±9.7 y 男性/女性=12名/5名)を対象に頸動脈超音波検査にて測定した頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)またはプラークスコア(PS)と血清HTGL蛋白量との相関性を検討した。同様に脂質代謝酵素あるいは制御蛋白であるリポ蛋白リパーゼ(LPL)蛋白量、血管内皮リパーゼ(EL)蛋白量、血管内皮細胞アンカー蛋白(GPIHBP1)との相関性を検討した。頸動脈IMT、PSと血清HTGLとの相関はそれぞれr=0.074 p=0.79; r= -0.089 p=0.74。頸動脈IMT、PSと血清LPLとの相関はそれぞれr= 0.323 p=0.223 ; r=-0.037 p=0.892。頸動脈IMT、PSと血清ELとの相関はそれぞれr=0.587 p=0.017; r=0.215 p=0.424。頸動脈IMT、頸動脈PSと血清GPIHBP1との相関はそれぞれr=0.587 p=0.017; r=0.432 p=0.095。以上から脂質代謝酵素の1つELとGPIHBP1はFH患者の動脈硬化予測因子であることが示唆された。HTGLやLPLに関しては、頸動脈の動脈硬化重症度を必ずしも反映しないことが示唆された。
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