研究課題
平成27年度は、主に3つのテーマに分けて研究を行う予定であった。一つ目は、計測技術:検査システムの試作であり、現在試作している検査システムを基本として、高速・高感度に再現良く計測可能な臨床検査システムを開発する。要素技術を統合し、医療機関においてエンドユーザーによる測定が可能な迅速検査システムを開発するとともに、プロトコールの最適化を行う予定であった。しかし、改良の途中でシステムが不調となり測定できなくなってしまった。大きな原因はプログラムOSであることが分かり、現在復旧中である。二つ目は、微粒子改良:磁気マーカーの粒径制御技術の開発である。これについては最適化が完了し、分散性・磁気強度・耐久性の点から、フェルカルボトランが最も適しているとの結論に至った。現在、この粒子の基礎的物理解析を行っている。三つ目は臨床評価であった。システムの改良と同時並行で臨床検体の測定を行う予定であったが、上記システム不調によりほとんど測定できなかった。本年度はシステムが復旧次第、遅れを取り戻すべくデータの蓄積を行いたいと考えている。
3: やや遅れている
当初予定していたサブテーマ3つ(計測技術、微粒子改良、臨床評価)のうち、2つは順調に進行しているが、臨床評価については測定装置が不調となり、検体測定を行えなかったため。
今回得られた磁気マーカーの物理学的性質を明らかにするとともに、検査システムの早期復旧を図る。さらに、遅れている検体測定を実施し、実用化に向けたプロトコールの改良を検討する。なお、検査システムの復旧には、開発者である日立製作所及び九州大学の協力を得るものとしたい。
計画書提出時に予定していた学会発表が大学校務と重なってしまい、発表を断念したため旅費使用額が当初計画より少なかった。
システム不調と地震による故障が重なったため、その復旧費用の一部として使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 備考 (1件)
Clinical Chemistry
巻: 62 ページ: 392-406
10.1373/clinchem.2015.245621
Science
巻: 350 ページ: 680-684
10.1126/science.aaa4335
http://www.niu.ac.jp/~pharm1/lab/cclm/immunoassay.html