研究課題
平成27年度は骨髄腫細胞の微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の検出を以下の検査法を用いて施行した。(1) 症例特異的リアルタイムPCR(qPCR)法ではMRD陰性であった検体を用いた症例特異的ディジタルPCR(ddPCR)法と次世代シークエンサー(next-generation sequencing: NGS)法によるMRDの検出・比較検討自家末梢血幹細胞移植を受けた23症例の自家移植片中のMRDを評価したところ、19症例はqPCR法及びddPCR法で評価可能であったが、NGS法では23症例すべてで評価可能であった。qPCR法でMRD陰性であった19症例のうち、7症例はddPCR法とNGS法でMRD陽性、7症例はddPCR法とNGS法でMRD陰性であった。残りの5症例はddPCR法ではMRD陰性、NGS法ではMRD陽性であった。以上から、MRD検出感度の点では、NGS, ddPCR, qPCRの順に優れていることがわかった(2015年米国血液学会abstract #1782)。2.マルチカラーフローサイトメトリー(multiparametric flow cytometry: MFC)法による骨髄腫MRDの検出これまでに主に欧州から報告されている標準化された8カラーMFC (EuroFlow)によるMRD検出法をスペイン・サラマンカ大学から技術導入した。現在、金沢大学血液内科でもルーチン検査としてMRD検出を行っている。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度で予定したすべてのMRD検出法(qPCR, ddPCR, MFC, NGS)の実施し、感度検定などを行うことができた。その結果、MRDの検出感度においてはNGSが最も高感度であることを確認できた。
平成28年度、29年度では当初の予定通り、MRD陰性を達成した症例の血清中に検出される新規自己抗体の検出・同定を蛋白質アレイを用いて行い、さらにその自己抗体の機能を検討していく予定。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (2件)
Cancer Science
巻: 106 ページ: 179-185
10.1111/cas.12594
Biol Blood Marrow Transplant
巻: 21 ページ: 1291-1298
10.1016/j.bbmt.2015.02.015
臨床血液
巻: 56 ページ: 989-996
10.11406/rinketsu.56.989
金沢大学十全医学会雑誌
巻: 124 ページ: 92-96
血液内科
巻: 70 ページ: 698-703
medicina
巻: 52 ページ: 2156-2160