研究課題
1) 妊婦、外科手術患者、担癌患者などの血栓症発症リスクのある患者(妊婦約50例、整形外科関節置換術患者約100例、腹部外科約50例、担癌患者約50例、膠原病患者約50例、血栓性素因疑い患者約50例)を、プロスペクティブかつ経日的に、止血系マーカーを測定した。その結果、可溶性フィブリン(SF)、D-dimer、フィブリノゲンならびにフィブリン分解産物(FDP)、抗Xa活性などの、血栓症診断ならびに予測のためのカットオフ値を決定した。また、D-dimer 3.0μg/ml、SF 6.0μgのカットオフ値での、血栓症診断率ならびに血栓症発症予想率を調べた。2) 不育症、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)ならびに静脈血栓塞栓症(VTE)などの血栓症関連疾患患者に対して、血液凝固阻害因子、フィブリノゲン、補体などの遺伝子診断を行い、高頻度にみられる血栓症関連遺伝子変異を同定した。深部静脈血栓症(DVT)約50例、肺塞栓症(PE)約20例、腹腔静脈の血栓症約20例、脳静脈洞血栓約20例、不育症約30例、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)約20例、aHUS約15例、健常人約100名について、凝固阻害因子の蛋白レベルの測定を行った。3) 播種性血管内凝固(DIC)をアンチトロンビン(AT)ならびにプラスミンインヒビター(PI)などの減少を基本にした新しい基準で分類し、その分類別に新しいDICスコアスコアリングシステムを作成した。DICスコア何点で治療するのが生命予後に最も良いか検討した。DICをATならびにPIなどの減少を基本にした新しい基準で分類し、その分類別に新しいDICスコアスコアリングシステムを作成した。
2: おおむね順調に進展している
1) 妊婦、外科手術患者、担癌患者などの血栓症発症リスクのある患者(妊婦約50例、整形外科関節置換術患者約100例、腹部外科約50例、担癌患者約50例、膠原病患者約50例、血栓性素因疑い患者約50例)の検体を、予定通り集め、止血マーカーの測定を行えた。2) 不育症やVTEなどの血栓症関連疾患患者(DVT約50例、PE約20例、腹腔静脈の血栓症約20例、脳静脈洞血栓約20例、不育症約30例、TTP約20例、aHUS約15例、健常人約100名)に対して、血液凝固阻害因子、フィブリノゲン、補体などの遺伝子検査を行うことができた。3) DICをATならびにPIなどの減少を基本にした新しい基準で分類するために、種々の基礎疾患のDIC症例を多数集めることができた。
1) さらに症例数を増やし、統計解析を行う。特に不育症と止血系異常の関係を究明する。2) 遺伝子解析と臨床病態の関係を検討する。血栓症発症リスクを数値化する。3) DICの診断と生命予後との関係を明確にする。DICの病型とDIC治療法の関係を明確にする。
その他の使途に制限のない予算を使用することができたため、研究費を次年度に回すことが可能になった。当初の見込みより、次年度に検体数や測定項目が増え、次年度に予算を回す必要が生じた。
血栓症、血栓症準備状態患者の止血系マーカーを、測定数を増やして測定する。遺伝子解析を続けて行う。統計解析を行う。最新情報を収集したり、研究成果を発表するため、国際学会や国内学会に出席する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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