研究課題
がんのクリニカルシーケンスを約100例経験し、ACMG(American College of Medical Genetics and Genomics)が提唱している開示すべき偶発的所見=IF(Incidental Findings)あるいは二次的所見=SF(Secondary Findings)に相当する遺伝子59に該当したものが、生殖細胞系列に同定・確認された場合に、遺伝カウンセリングを伴って開示を行う経験を得、データやケースの蓄積を行った。遺伝子診療の現場においてもNGS(Next Generation Sequencer)を用いた解析時に実際に発生するIF/SF事例に対して検討を行い、問題点を整理した。また、IF/SF取扱に関する世界的な状況の情報収集を継続的に行った。消費者直販型遺伝子検査であるDTC(Direct-to-Consumer)genetic testingなどの遺伝子検査ビジネスにおける国内及び世界的な状況把握と問題点について情報収集を継続的に実施した。また、遺伝子検査ビジネスで行われる遺伝子検査及び臨床検査として実施される遺伝学的検査についての経験、考え方、今後の方針などを明らかにするために、一般診療を行っている開業医を中心とする医師会員を対象としたアンケート調査に実施し、現状把握に努めた。また、実際にDTCキットを購入して自ら検査を行い、結果データの比較や提供される情報について調査した。従来型の単一遺伝性疾患の遺伝学的検査の臨床的な妥当性、有用性については、主に家族性腫瘍(Lynch症候群、家族性大腸ポリポーシス、多発性内分泌腫瘍症1型・2型、遺伝性乳がん卵巣がん症候群など)を中心に解析し、データを蓄積した。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載した目的が順調に達成できつつあるため。
日本人におけるIF/SF開示における課題と問題点を抽出し、一定の方策の提言を目指す。日本人の遺伝医学専門家およびがん診療専門家に対して、IF/SF開示方針に関するアンケート調査を実施し、2013年のものとの比較をする。
28年度はデータベース使用料以外の費用を節減することができたため、29年度の研究充実のために使用することができるようになった。
本研究では、情報収集と整理が重要となるため、各種学会等での情報収集のための旅費・参加費および学内での作業を依頼する研究協力者に対する謝金が主体となる。その他、収集データの保存・活用のための電子媒体の購入費用、特定のデータベース使用料などにも研究費を使用する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 10件)
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