研究課題
くすぶり型ATL細胞株と急性型ATL細胞株を比較対照とし、キャリア細胞株10株における(1)種々のCD抗原やケモカインレセプター等の表面抗原解析、(2)cDNAマイクロアレイ解析、及び(3)miRNA発現解析などの網羅的発現解析をおこない、HTLV-1キャリア特有の新規マーカー候補を検討した。細胞株の由来となった患者の追跡調査も並行しておこなった。具体的にはキャリア細胞株を解析のターゲットとし、HTLV-1サザンブロット、HTLV-1 TAX、HBZ定量検査、フローサイトメトリー解析をおこなった。HTLV-1サザンブロット検査にて全細胞株のモノクロナリティーの有無を確認することができた。HTLV-1 Tax定量、HBZ定量検査もおこない発現量の特徴を解析した。フローサイトメトリー解析に関しては、種々のCD抗原、ケモカインレセプターなどのサイトカイン発現パターン解析を約80種の抗原を使用し網羅的に解析した。また、研究期間を通じて適切な細胞株継代・管理をおこなった。キャリア細胞株ドナーの追跡調査に関しては、当院及び、県内の2つの地域中核病院にて血液内科医が保存カルテを検索し、患者情報を収集した。これまでのところ、フローサイトメトリー解析、マイクロアレイ解析の結果が出揃っており、miRNA発現解析の結果を加味し、得られたキャリア特有のマーカー候補分子(数個を想定)を、さらにできる限り少数(2~3個)に絞るこんで報告する事が課題である。機能解析の指標は、細胞増殖能やHTLV-1 TAXやHBZの発現に対する影響力を評価、及びマーカー候補分子の既知の機能の双方を取り組んでいる。これらの成果は論文作成中である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Human Cell
巻: 30 ページ: 117~123
10.1007/s13577-016-0156-4
Journal of Clinical Microbiology
巻: 55 ページ: 2838~2849
10.1128/JCM.00659-17
BMC Immunology
巻: 18 ページ: 1~10
10.1186/s12865-017-0191-2