研究課題/領域番号 |
15K08651
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 教授 (90316513)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自己免疫性溶血性貧血 / クームス試験 / 自己抗体 |
研究実績の概要 |
稀少疾患であるクームス陰性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)症例を全国レベルで集積し、3病態(クームス試験感度以下の赤血球結合IgG、IgA/IgM型自己抗体、低親和性自己抗体)を網羅したデータベースの構築を目的に、全国から原因不明溶血性貧血患者の精査を受け付け、平成27年度は111例の精査を行った。111例の内訳は、年齢は0.5歳から94歳で、男女比45%/55%、直接クームス試験陰性例は89%であった。赤血球結合IgG定量値としては1-885 IgG分子/赤血球で、抗IgAクームス試験陽性は10例、抗IgMクームス試験陽性は6例であった。また、カラム法抗IgGクームス試験は34例で陽性となり、赤血球洗浄後に24例で陰性化した(低親和性IgG自己抗体の疑い)。検査の1年後に主治医に対して臨床診断と経過についてのアンケート調査をおこない、最終診断とする予定であり、治療反応性や短期の予後についても明らかにする予定である。平成27年度は例年通りの100件以上の依頼があった。通常は4割程度がAIHAと診断されていることから、順調な症例の蓄積が行われていると考えられる。平成28年度以降も同様なスピードで症例を蓄積し、3病態の頻度・治療反応性・予後について明らかにしたい。 精査結果を基にした2件の症例報告論文の共著者ならびに2件の学会発表の共同演者となった。また、AIHAに関する6冊の書籍の共同執筆者となり、5編のAIHAの関する総説の執筆を行った。血液学会と輸血細胞治療学会において、AIHAに関する講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、全国から原因不明溶血性貧血患者111例の精査を行った。直接クームス試験陰性例は89%であった。赤血球結合IgG定量でクームス感度以下の症例が35例、抗IgAクームス試験陽性は10例、抗IgMクームス試験陽性は6例であった。また、カラム法抗IgGクームス試験は34例で陽性となり、赤血球洗浄後に24例で陰性化した(低親和性IgG自己抗体の疑い)。検査の1年後に主治医に対して臨床診断と経過についてのアンケート調査をおこない、最終診断とする予定であり、治療反応性や短期の予後についても明らかにする予定である。平成27年度は例年通りの100件以上の依頼があり、通常は4割程度がAIHAと診断されていることから、順調な症例の蓄積が行われていると考えられ、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も全国から原因不明溶血性貧血患者の精査を受け付け、平成27年度と同様に赤血球結合IgG定量、抗IgAクームス試験陽性、抗IgMクームス試験,洗浄前後のカラム法抗IgGクームス試験をおこない、クームス陰性AIHAの3機序についてのデータを蓄積し、検査の1年後に主治医に対して臨床診断と経過についてのアンケート調査で最終診断と治療反応性ならびに短期の予後についても明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体標識用のアイソトープ購入時期が年度を跨ぐことになったため、次年度のアイソトープ等の購入に使用するため、次年度使用額が生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度にはアイソトープ等購入に使用する予定です。
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