自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の約1 割はクームス試験(DAT)が陰性を示し、DAT感度以下の赤血球結合IgGが主な原因とされるが、IgM/IgA 型自己抗体や低親和性IgG自己抗体も原因となる。各病態の頻度については不明で、包括的な診断法も確立されていなかった。今回、全国レベルで症例集積し、3 つの病態を一括して解析した。網羅的診断システムを確立し、各病態の頻度が明らかになった。DAT陰性AIHAの8割程度はDAT感度以下のIgG自己抗体が赤血球に結合しており、他に低親和性IgG自己抗体がDAT陰性AIHAの15%程度に検出され、IgAもしくはIgM自己抗体がそれぞれ4%程度検出された。
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