研究課題/領域番号 |
15K08681
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中尾 睦宏 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (80282614)
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研究分担者 |
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ストレス / 心身症 / 心因性疼痛 |
研究実績の概要 |
当大学医学部附属病院心療内科の外来患者を対象とした診療データベースを作成し、疼痛の発生部位と心理社会的ストレス・気分状態などとの関連について明らかにした。心理質問紙としては、①身体感覚増幅尺度(計10項目、50点満点)、②トロント式失感情症スケール(心身症の傾向を反映、計20項目、100点満点)、③気分調査票POMS(不安-緊張、うつ、怒り-敵意、活気、疲労、混乱度の6尺度得点)、④Medical Symptom Checklist(頭痛、胸痛、腹痛、腰痛、関節痛など、16の主要身体症状の頻度・強度・支障度を得点化)、⑤Self-rated Stress Checklistなどを実施した。その結果、心療内科外来受診患者1,067人(平均年齢46歳、女性率65%)のうち、主要な症状は疲労(47%)、不眠(35%)、腰痛(31%)、頭痛(28%)、動悸(26%)、息切れ(23%)、便秘(21%)、めまい(21%)と続いた。全外来患者を、心身症を有した心身症群(398人)と非心身症群(669人)との2群に分けたところ、心身症群の平均身体症状数は3.0、非心身症群の平均身体症状数は2.9と統計学的な有意差はなかった(p>0.05)。またSelf-rated Stress Checklistの平均得点も、心身症群24.0、非心身症群25.1で統計学的な有意差はなかった(p>0.05)。ところが、身体感覚増幅尺度の平均得点は心身症群31.4vs. 非心身症群30.7と心身症群で有意に高い得点を示し(p<0.05)、POMSうつの平均得点は心身症群23.0 vs. 非心身症群29.7、POMS不安緊張の平均得点は心身症群18.7 vs. 非心身症群22.9と逆に非心身症群で有意に高い得点を示した(both p<0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画申請通りに順調に進捗している。2年目は外来診療データベースのデータ解析をさらに進め、認知行動療法などの介入プログラムにも着手していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究申請書に従って、今後の研究を推進していきたい。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題等は現在なく、順調である。
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次年度使用額が生じた理由 |
備品購入に時間的な余裕がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費を適切に活用し、備品購入などを研究計画にそくして随時進めていきたい。
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