研究課題
種々の非侵襲的計測法を用いてヒトの脳内での痛覚と痒みの認知機構を明らかにすることが主要研究目的である。さらに関連深い触覚の認知機構の研究も行う。脳波、脳磁図、経頭蓋磁気刺激といった生理学的検査法と、機能的MRI, 近赤外線分光法などの脳血流検査法を組み合わせて総合的に研究を進めていく、世界的にも最先端の研究である。前年度までに、痛みとかゆみに関する新知見と新しい治療法に関する多くの論文を発表し、新聞やテレビ、ラジオなどの多くのメディアで紹介された。平成30年度は、痛みとかゆみ認知に関するこれまでの研究成果を、1編の英文原著論文として発表した。「脳磁図の臨床応用に関するガイドライン」で、世界中の著名な脳磁図研究者との共同執筆である。申請者は主として「痛覚」に関する部分を執筆した。本分野のトップジャーナルに発表され、今後の脳磁図研究の指針として数多くの引用が予想される。「かゆみ」研究に関しては、現在、英文原著論文を1編投稿中で、近日中に採択予定である(Journalは、Frontiers in Physiology)。機能的MRIを用いて、かゆい時の脳活動を分析した研究である。特に、かゆみ認知に重要な「後部島」の活動を詳細に解析した。また、1編の総説論文を発表した。本分野において、このような詳細かつ最先端の総説論文はこれまでには無く、高く評価された。また、国際学会で2回、国内学会で2回の招待講演を行った。特に海外での評価が高く、米国とエジプトで開催された国際学会での講演は高く評価された。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
Clinical Neurophysiology
巻: 129 ページ: 1720~1747
10.1016/j.clinph.2018.03.042
神経内科
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