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2015 年度 実施状況報告書

非線形再構成処理によるMR画像の画質評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K08688
研究機関東北大学

研究代表者

町田 好男  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30507083)

研究分担者 本間 経康  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30282023)
森 一生  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90375171)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードMRI / 非線形処理 / 圧縮センシング / 高速撮像 / 画質評価
研究実績の概要

近年、情報理論における「圧縮センシング:CS」を応用したMR高速撮像法が注目され発展を遂げているが、こうした新しい手法により得られる非線形処理画像の画質評価をいかに行うべきかが大きな課題となっている。我々は、できるだけ標準的な線形系のツール等を活用した画質評価法を開発し、画像工学の研究者や技師・医師に分かりやすい形で結果を提供することを目的として検討を行っている。今年度は、以下の項目について検討を進めた。
(1)CS-MR画像の画質評価法の検討: MRアンギオグラフィにおける血管描出能の検討のための数値モデルを用いた検討を以前より行っているが、今年度はさらに、投影処理の影響も加味するなどより詳細な条件で検討を進め、知見を蓄積した、学会でも報告を行った。
(2)計測手法の検討: 放射線技術学領域ではNPS (ノイズパワースペクトル)やMTF (変調伝達関数)が一般的な線形系の画質指標として用いられているが、現在でも必ずしも標準的な計測方法が確立されているとはいえないため、その計測法の基礎的な検討を進めている。また、CS-MRIに限らない非線形処理画像の例としてアダプティブフィルターの画質評価の知見の蓄積を進めた。
予定よりも(2)に重点を置く結果となったが、本年度は上記検討および計算機環境の整備も行い、次年度に向けて道筋を立てられたと考えている。なお、本検討に関連する講演および解説の執筆も、いくつか行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要に記した2つの項目、(1)CS-MR画像の画質評価法の検討、(2)計測手法の検討ともに進め、いくつかの学会報告もおこなった。ここまでは、若干(2)にウェイトを置くことになったが、両者の初年度の進展を踏まえて2年目以降の本格的な検討に向けて必要な準備ができたと考えている。

今後の研究の推進方策

初年度の検討を発展させながら、当初予定に沿って検討する予定である。
CS-MR画像の画質評価法の検討: 初年度に計測手法を検討したNPSやMTFによる画質の評価法を用いた総合的な評価を進めたい。また、アプリケーションの特性に特化したモデルによる検討として、MRAとは別の、例えば実質部位を想定したモデルを構築し検討を進めたい。
計測手法の検討: 初年度の検討を継続し、計測手法の確立をはかりたい。MTF計測については、簡易ファントムを用いた実用的な計測手法を提案したいと考えている。こうした具体的検討を継続しながら、目的とする非線形処理画像の画質指標/画質評価法のポイントを見極めていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

計算機環境の整備の予算より若干多めの経費を充て、計算機実験等研究を軌道に乗せることに注力した。今年度海外出張にあてる予定だった旅費の一部は次年度に充当する方が適切と判断した。

次年度使用額の使用計画

当初より予定していた5月の国際学会の他、3月開催の国際学会での発表を目指している。その旅費の一部として充当する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] フーリエ変換とMRイメージング-連続と離散の観点から-2016

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 雑誌名

      東北大学医学部保健学科紀要

      巻: 25 ページ: 27-37

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 最新のMRI撮像技術2015

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 雑誌名

      医用画像情報学会雑誌

      巻: 32 ページ: 2-5

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] MTF計測を用いたT2WI TSE asymmetric orderの解像特性の検討2016

    • 著者名/発表者名
      曽根理、吉田礼、引地健生、町田好男
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第72回総会学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2016-04-14 – 2016-04-17
  • [学会発表] 低再収束フリップ角を用いた高速SEにおけるみかけのT2減衰とMTFの比較2016

    • 著者名/発表者名
      吉田礼、曽根、引地健生理、町田好男
    • 学会等名
      日本放射線技術学会第72回総会学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2016-04-14 – 2016-04-17
  • [学会発表] Noise power spectrum measurement for clinical MR image evaluation2016

    • 著者名/発表者名
      Ichinoseki Y, Miyamoto K, Machida Y
    • 学会等名
      ECR2016
    • 発表場所
      ウィーン(オーストリア)
    • 年月日
      2016-03-02 – 2016-03-06
    • 国際学会
  • [学会発表] 圧縮センシングMRIの原理と今後の展開2015

    • 著者名/発表者名
      町田好男
    • 学会等名
      Radiology Update研究会
    • 発表場所
      東京コンファレンスセンター(東京)
    • 年月日
      2015-11-07
    • 招待講演
  • [学会発表] MRIにおけるMTF計測精度向上の検討2015

    • 著者名/発表者名
      吉田礼、町田好男、引地健生、永坂竜男、一関雄輝
    • 学会等名
      第5回東北放射線医療技術学術大会
    • 発表場所
      山形テルサ(山形)
    • 年月日
      2015-10-31 – 2015-11-01
  • [学会発表] 圧縮センシングMRアンギオグラフィーにおける血管と背景実質部コントラストの検討2015

    • 著者名/発表者名
      三浦洋亮、齋藤俊樹、一関雄輝、町田好男
    • 学会等名
      第43回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      東京ドームホテル(東京)
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-12
  • [学会発表] MTF計測を用いた3D TSE T1WIにおける解像特性評価の検討2015

    • 著者名/発表者名
      吉田礼、引地健生、町田好男
    • 学会等名
      第43回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      東京ドームホテル(東京)
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-12
  • [学会発表] MRIにおける1次元NPSの実用化に向けた計測精度の検討2015

    • 著者名/発表者名
      一関雄輝、宮本宏太、永坂竜男、森一生、町田好男
    • 学会等名
      第43回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      東京ドームホテル(東京)
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-12

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公開日: 2017-01-06  

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