研究課題/領域番号 |
15K08695
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
熊澤 誠志 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (50363354)
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研究分担者 |
吉浦 敬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40322747)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | MRI / EPI / 画像歪み補正 |
研究実績の概要 |
本研究では,水分子の拡散現象を通して生体の組織構造に関する情報が得られる拡散MRIで問題となっている被写体内の磁場不均一に起因した画像歪みに対して,新たな画像歪み補正手法を開発する.拡散MRIが最も応用されている頭部領域を対象として,新たな画像ベースの被写体内の磁場不均一分布推定手法の開発,および磁場分布とMR信号生成過程に基づいた信号復元手法の開発を行うことである.これらの手法とこれまで申請者が開発してきた拡散MRIにおける脳神経線維束推定手法等を組合せることにより,これまで画像歪みのため描出困難であった領域の組織構造情報の抽出,また組織構造と形態情報および生体内での水分子拡散現象の解析を目指すものである. 当該年度においては,画像ベースの被写体内の磁場不均一分布推定手法の開発を行った.T1強調画像に対して組織セグメンテーションを行い,これを被写体に見立てて仮想MRI内に配置し,この被写体からのMR信号を計算する.磁場不均一の無い状態を初期値として,EPI信号充填軌跡に従ってk空間にMR信号を充填・再構成し,合成EPI画像を生成する.この合成EPI画像と実測EPI画像の平均二乗誤差を最小とするように,共役勾配法を用いて反復的に磁場分布を更新し,実測EPI画像での歪みと同じ歪みが生じるような磁場分布を推定するアルゴリズムを考案・実装を行った. また当該年度では,シミュレーションした EPI画像に対して本手法を適用し,提案手法による推定結果がシミュレーションで得られた磁場不均一分布と一致するかどうか検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は研究実施計画書に記載したアルゴリズムを実装したが,精度を向上させるための改良が今後必要となるが,おおむね予定通りの進捗状況である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降に関しては,研究実施計画書にしたがって,実際の拡散MRIデータへ提案手法を適用し,評価・改良を行う.実際の拡散MRIデータには,被写体の生理的な動き,血流・拍動などによるアーチファクトが想定される.これらアーチファクト対策の検討を行う.また推定によって得られた磁場不均一分布とその点広がり関数(point spread function)の関係についての検討も行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
計算速度の速いコンピュータを購入するため
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次年度使用額の使用計画 |
計算速度の速いコンピュータを購入する予定
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