本研究の目的は,患者の呼吸状態の4次元予測をリアルタイムで提示するシステムのための基礎技術の開発である.この目的達成のため,確率モデルと非線形力学の手法を組み合わせた呼吸の予測モデルを開発した.患者体表面の観測には,市販の距離画像カメラ(Microsoft Kinect)の能力を向上させた非侵襲3次元計測システム用いた.呼吸にまつわる人体のシステムをハミルトン力学系と見なし,そのモデルの予測を状態空間モデルで表現してデータ同化することで,予測を行った.本手法の予測精度は,予測期間が4秒で20%以内であった.体表面の予測精度は,予測期間が2秒で20%以内であった.
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