研究課題/領域番号 |
15K08706
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研究機関 | 秋田県立脳血管研究センター(研究局) |
研究代表者 |
高橋 規之 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, その他 (90595076)
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研究分担者 |
木下 俊文 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 研究員 (70314599)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / CT |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)診断では,ADの早期である軽度認知症障害期の患者を画像検査により検出することが重要である.本邦では,近年の高齢化に伴い10年後に380万人が認知症になると予測されている.全認知症患者の約半数をADが占めており,特にAD患者を早期に発見することが重要になっている.本研究では,側頭葉内側の萎縮に伴い生ずる側脳室下角の拡大をターゲットとして,側脳室下角容積の自動定量化法(間接的に側頭葉内側の萎縮度をZスコアにより評価する)を高性能化し,臨床利用に向けた早期アルツハイマー型認知症診断支援システムを確立することを目的としている.我々は今年度,側脳室下角の偽陽性削除アルゴリズムの開発と側脳室下角定量化法への組み込みを行うことができた.開発した下角容積定量化法は,Zスコア画像上に設定したVOI内のZスコア値を単純に出力し,ADにより脳萎縮が進んでいる場合には,脳溝をVOIから削除し,その高信号域が偽陽性として出力されないようにし,側脳室下角定量化法に組み込んだ.偽陽性候補削除アルゴリズムの具体的な方法は,①VOIの形状と位置の最適化,②しきい値によるVOI内の初期候補領域の抽出,③抽出領域から大きさ,形状、位置に関する特徴量を計測する.④得られた特徴量を入力として識別器であるサポートベクターマシンによって下角と脳溝を鑑別する,であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度に計画していた,年齢別と装置別に応じた正常脳データベースの構築を行うことができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,前年度行うことができなかった年齢別と装置別に応じた正常脳データベースの構築を目指し,協力を依頼している病院から対象となるCTデータを早急に取得する.その後,得られた正常脳データベースを基に,さらなる処理アルゴリズムの精密化・高度化によりシステムの高性能化を図る計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
一年目に計画していた側脳室下角容積評価システムのソフトウェアをインストールするための3D 画像処理・表示装置を購入しなかったため.実装できる本システムのソフトウェアを構築することができなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
一年目に予定していた3D 画像処理・表示装置の購入費に,研究費を使用する予定である.
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