研究課題
本研究の目的は、ダウン症候群(DS)児を対象に睡眠呼吸障害(SDB)有病率及び治療実態を調査し、解剖学的形態の異なる他人種と比較して我が国のDSのSDBの特徴づけを行い、治療指針確立の一助とすることである。代表研究者の雇用状況が変化したため計画変更を余儀なくされ、進捗を考慮して、それまでに得られていた結果と合わせての解析及び論文発表準備に費やした。現在論文投稿中である。①対象:本邦及びScotlandのDS児と非DS児。②方法:療育者を通じたアンケート調査及びスクリーニング③統計的解析・検討:有病率推定、心疾患既往や解剖学的要因との関連検討、二国間比較解析初年度は計画通り、同年代のDS児と非DS児を対象に、アンケート調査161名、57名スクリーニング検査を終了。次年度に生じた研究代表者の異動及び調査協力者退職のため、若年者対象調査が継続不能となった。本邦での計画停滞に対しScotlandの共同研究施設で調査期間が終了した。計画を大きく変更し、若年者に限定しない我々の並行研究で得た調査結果を用いて、16歳以上の調査対象者の二国間比較をまとめた。5000人超の日本ダウン症協会員からランダム抽出した2000人にアンケート協力を要請し60%相当1154人分の有効回答を得た先行研究から16歳以上の525人の調査結果を比較対象として解析を行った。Scotlandでのアンケートは16歳以上の調査対象者から277名の有効回答を得た。結果、調査対象DS者でScotlandで肥満傾向が有意であったにも関わらず、両国同程度の高頻度でSDB関連症状が確認された。DSに伴う解剖学的特性が人種やBMIの差を凌駕してSDBを惹起する可能性を示唆する本調査結果を現在論文投稿中である。当初2年目予定であった若年者対象調査は山口・福岡地域に調査範囲を縮小し、縦断研究を継続中である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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