研究課題/領域番号 |
15K08717
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 寿 久留米大学, 医学部, 教授 (40212518)
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研究分担者 |
植田 晋一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (00412502) [辞退]
堀 賢介 久留米大学, 医学部, 助教 (50647815)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | TSP-2 / 冠血管危険因子 / 住民検診 / 疫学 |
研究実績の概要 |
Thrombospondin(TSP)-2は近年本邦で臨床報告された、心不全患者における新規の予後予測因子である。これまで申請者は、一般住民における横断研究で、血清TSP-2はインスリン抵抗性や心房細動と関連することを発表した。今までに同様の報告はなく、心不全発症や予後に関する縦断研究は今後の課題となっている。また、我々は、2004年から開始された前向き疫学研究である「宇久町研究」において、2013年と2014年にTSP-2を合計446名に測定した。従って、「血清TSP-2が一般住民において心不全発症の予測因子になり得るか」を研究目的とした。 446名(男性183名、女性263名)でのTSP-2の測定結果(平均年齢67歳)では、平均値は20.9±8.5ng/mlで、正規分布を示し性差を認めなかった。TSP-2は、空腹時血糖値(p<0.001)、インスリン値(p<0.01)、HOMA指数(p<0.001)、eGFR(p<0.01;inversely)、高感度CRP(p<0.001)、冠疾患の既往歴(p<0.001)、NT-proBNP (p<0.001)と有意に関連していた。 さらに、これらの有意な変数をstepwise法を用いて独立性の検討を行ったところ、HOMA指数(p<0.001)、高感度CRP (p<0.001)、冠疾患の既往歴(p<0.0001)およびNT-proBNP (p<0.001)とは独立して有意に関連していることが示された。 このことから、TSP-2は、心不全患者だけでなく、一般住民においても、cardiovascular-related危険因子と有意に関連していることが示された。現在、この446名に対して、定期的に予後調査を行っており、研究目的である「血清TSP-2が一般住民において心不全発症の予測因子になり得るか」を検討するため縦断研究を展開中である。
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