本研究では、遺伝情報を操作変数に用いるMendelian Randomization(MR)法を用いて未知・未観察の交絡による影響を調整し、疾病罹患前の血漿アディポカイン濃度と大腸がん罹患リスクとの関連を検討した。従来の疫学統計手法を用いて観察された血漿レプチン濃度と大腸がん罹患リスクとの関連は、MR法を用いても観察されたため、未知・未観察の交絡により観察された結果でないことが示唆された。ただし、MR法の前提条件を満たす遺伝子多型が適切に選択されていたか、今後精査する必要があると考えている。また、より確かなエビデンスとするため、他の集団において再現性を確認する必要があると考えている。
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