研究課題/領域番号 |
15K08726
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐々木 久長 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70205855)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自殺予防 / ボランティア / 地域 |
研究実績の概要 |
1.A県内のボランティア(メンタルヘルスサポーター)養成の実態 過去10年に行われた養成講座の受講者の実態について確認した(県庁担当課協力)。その結果、(市町村合併後の)平成16-26年度までに4,129人(延べ人数)が受講していた。2市町は独自に実施していなかったが、保健所で開催した養成講座に参加しており、県内全ての自治体で養成されていることが確認された。 2.ボランティアの取り組み 自殺予防活動をしている2団体に所属しているボランティア35名を対象に、活動の実態(研修への参加を含む)とゲートキーパー自己効力感尺度(Gatekeeper self-efficacy scale, GKSES)を実施した。その結果69.7%が6年以上、24.2%が11年以上の活動歴があり、初期に養成されたボランティアが長期間にわたって活動していることが確認された。相談については60.0%が相談を受けたことがあり、その内容は「健康問題」「家庭問題」「経済・生活問題」と自殺の要因とされている内容と一致していた。37.1%が所属する自治体の保健センター(保健師)と連携しており、養成講座から保健師とのつながりが継続していた。A県では自殺率が現象しており、ボランティアは自分たちの活動の成果を実感していた。これらの結果はGKSESにも反映されていた。 またメンタルヘルスサポーターを対象としたフォローアップ研修会参加者185名を対象とした調査では53.3%が活動を通して「死にたい」という訴えを受けとめていただが、その内45.8%はその後相談していなかったことがわかった。これらの結果を参考に、調査内容を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度中に実施予定であった調査が、倫理審査の関係で調査が28年度にずれ込んだが、28年度に予定していたケース研究についても調査と一緒に実施する。調査依頼を通して市町村担当保健師との情報交換が進み、平成28年度実施予定の質的調査のデータを先に得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
A県では平成28年度から本格的にゲートキーパー養成に取り組む予定である。今まで養成してきたメンタルヘルスサポーターとの役割分担と連携がポイントになることから、予定されている対象に加えて、養成講座と連携した調査も実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に実施予定だった調査の一部が平成28年度に実施することになったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した予算は平成28年度に実施する調査で使用する。
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