研究課題/領域番号 |
15K08728
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯島 勝矢 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 准教授 (00334384)
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研究分担者 |
高橋 競 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員 (60719326)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 虚弱予防 / サルコペニア / 健康増進 / 高齢者の食 / コミュニティー |
研究実績の概要 |
本研究では、平成24年度から3年間実施した千葉県柏市における大規模高齢者縦断追跡健康調査(柏スタディ)から得られたサルコペニア等にかかる知見をさらに深く掘り下げるべく、以下の3つの研究課題に取り組む。①地域在住高齢者における孤食に関する質的研究、②高齢者市民参加型運動教室(名称:ロコモフィットかしわ)の効果検証、③残血清を用いたサルコペニアに対するバイオマーカー探索。これら3つの研究課題から得られる知見をまとめ、新たな包括的サルコペニア予防戦略のモデルを構築することを目指す。 当該年度は、それぞれの研究課題に関する文献レビューを行った。地域在住高齢者における孤食に関する質的研究の準備として、開かれた質問(open-ended questions)を含むインタビューガイドを作成した。また、高齢者市民参加型運動教室の効果検証のため、ロコモフィットかしわ参加者のベースラインデータを収集した。運動教室終了後の運動の継続や自主グループ参加の有無による変化を評価するため、1年後フォローアップ調査の計画を立てた。さらに、平成24年度の柏スタディ参加者のうち、カルニチン分析を済ませた303検体の追加分析(テストステロン、DHEA-S)を行い、サルコペニアとの関連について検証を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、超健常者と超虚弱者に対する個別深掘りヒアリング調査を予定していた。しかし、文献レビューや専門家とのディスカッションの結果、柏スタディからの新たな知見である孤食に焦点を当て、研究の新規性や社会的意義をさらに高める必要があるとの結論に達した。 高齢者市民参加型勉強会については、柏市において自分たちで勉強会を立ち上げ、その効果検証を行うことを予定していた。しかし、柏市との協議の結果、定期開催されている運動教室「ロコモフィットかしわ」の効果検証を行うことに変更した。 これらの研究計画の変更により、当初予定していた調査準備期間が延び、全体の進捗が遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度(平成27年度)の準備を踏まえ、2年目(平成28年度)には以下の3点に関して推し進める。 ①孤食にかかる訪問インタビュー調査を実施する。同居家族がいるにもかかわらず、なぜ、そしてどのように孤食になっているのかを、質的研究法により検証する。 ②ロコモフィットかしわ参加者の一年後フォローアップデータを収集する。運動教室終了後も自主的に運動を継続したものとしていないものの違いを、多変量解析により検証する。 ③残血清を用いてサルコペニアの新規バイオマーカーを探索する。とくに、テストステロン等の性ホルモンとサルコペニアとの関連について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が遅れていることから、研究成果発表費用等が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は主に、質的研究の実施と分析、ロコモフィットかしわの効果検証、サルコペニアのバイオマーカー探索、研究成果の発表に研究費を使用する予定である。
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