研究課題
本研究は(1) インフルエンザウイルスに関連する死亡と入院の状況を国ベースで調べ、(2) 毎年のインフルエンザウイルスの流行状況とその年のワクチンの株と使用量、個人の抗インフルエンザ薬の使用状況からそれらのインフルエンザウイルス関連の死亡と入院への寄与を明らかにし、さらに(3) 外来での予防的な抗生剤の使用がインフルエンザウイルス感染症に関連する入院を減らしているかを検討することを目的としている。保険診療では、医師は患者のアウトカムをできるだけ良い方向に導くため、実際の病名と異なる病名により検査・治療・薬剤の処方を行っていることがある。また死亡による退院が記録されていないことが多いことが判明した。小児科医師と協議し、レセプトデータからできるだけ正確にインフルエンザウイルス感染後の死亡と入院を捉えるためのアルゴリズムを作成した。この研究に用いるポアソン回帰と線形モデルを開発した。これらのモデルがアカデミア界から受け入れられるかが不明であったため、小児の成長データや人間ドックの眼圧のデータにそれらを適用し、学会で発表した。英文誌に投稿した結果、それらは論文として認められた事から、連続的に変化する変数を収載した大規模データにこれらのモデルを適用することは、受け入れられるだろうと考えている。これらのモデルをレセプトデータに適用して解析を行い、発表する。国立感染症研究所および国が発表している、インフルエンザワクチンのウイルス株と使用量のデータをレセプトデータと統合して解析することは本研究のもう一つの目的である。この解析には、まず単純なモデルを適用する。一方、特定のインフルエンザ株のワクチンによる重症化効果は接種後数年以上続くと考えられ、このタイムラグを考慮したモデルの開発も現在行っている。
2: おおむね順調に進展している
研究の解析に必要なモデルの開発を進めている。レセプトデータを扱うポアソン回帰モデルと線形モデルの一つである固定効果モデルは完成したと考えている。ワクチン接種後の数年に渡るワクチンのインフルエンザウイルス感染と重症化予防効果を見積もるモデルの開発も併せて行っている。インフルエンザウイルス感染による入院をできるだけ正確にレセプト上で捉える必要がある。保険診療では、臨床医が患者のアウトカムを最も良い方向に導くため、実際の病名とは異なる理由で治療・検査・薬の処方がなされることがある。また、死亡による退院は記録されていないことがあり、死亡を同定することも必要である。研究協力者である小児科医師と協議し、死亡と重症入院をレセプトデータから抽出するためのアルゴリズムを作成した。
解析モデルの開発はおおむね順調に進んでいる。データからインフルエンザウイルス感染による入院と死亡を抽出し、これらモデルを適用して解析し、本年度内に発表と公開を行う。
レセプトデータを借り受ける契約を平成29年度に行うことになったため、平成28年度の予算は持ち越しとなった。
レセプトデータの使用契約金に充てる予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件) 備考 (5件)
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https://www.researchgate.net/profile/Hiroshi_Yokomichi
https://orcid.org/0000-0001-7369-155X
http://www.med.yamanashi.ac.jp/social/heal0sci/syoukai/jisseki/yokomichi_jisseki.html
http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispInfo.Scholar/4_5_2/0A58EC4D9B448F01.html