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2016 年度 実施状況報告書

インターネット依存を主とした新しい健康リスクに関する全国学校職員調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K08735
研究機関島根大学

研究代表者

神田 秀幸  島根大学, 医学部, 教授 (80294370)

研究分担者 高橋 謙造  帝京大学, 公衆衛生大学院, 准教授 (00365628)
坪井 聡  自治医科大学, 医学部, 研究員 (20453011)
菅谷 渚  横浜市立大学, 医学部, 助教 (90508425)
津村 秀樹  島根大学, 医学部, 助教 (70636836)
中村 幸志  北海道大学, 医学研究科, 准教授 (80422898)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードインターネット依存 / 中学校教職員 / 全国調査 / 自覚的ストレス
研究実績の概要

本研究は、Internet Addiction Test (IAT)を用いた学校教職員のインターネット依存の実態を明らかにすることを目的としている。
平成28年度は、無作為抽出した全国の中学校140校に対して、その学校に属する職員4075人を対象として、無記名自記式質問票調査を行った。このうち、73校より協力が得られ、職員個別の質問票回収は2080人であった(回収率51.0%)。
結果として、新しい健康リスクとして挙げたインターネット使用は、IATを用いた方法によると、ほとんどの回答者で、インターネットの使用に際する困難や問題は認められなかった。しかしながら、約40%の回答者に「思っていたより長時間インターネットを使用することがある」と答え、長インターネット時間使用の恐れが生じ得ることが考えられた。さらに、「他のやらなければならないことよりも先に電子メールをチェックすることがある」、「心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがある」、「インターネットのない生活は退屈でつまらないと恐ろしく思う」という回答が約10%程度にみられ、対象集団においてインターネットへの依存が高い者が一定数存在することが明らかとなった。
仕事に対する自覚的ストレスについて、「仕事をやめたいと思う」、「仕事に熱中できない」、「一日の仕事がやっと終わった」との回答が多くみられた。一方で、自身の仕事の適性や内容、意味については、半数以上の者が肯定的な回答をしていた。教職員としての意義ややりがいは保持しつつも、業務に対する負担感が高いことが考えられた。
インターネットの適正使用やメンタルヘルス対策を推進していくことで、仕事に対する自覚的ストレスや業務に対する負担感の改善に向けた対策の可能性があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査に実施について、平成28年度は、全国の中学校140校職員4075人を対象とした大規模調査を実施した。回答は73校、個別回収は2080人と、全国規模の調査でありながら回収率は50%を越える状況であった。調査が順調に行えたことを示す回収数を得られた。
また、データクリーニングを経て集計作業を行ったところ、対象集団において、新しい健康リスクとして挙げたインターネットへの依存が高い者が一定数存在することが明らかとなった。また、自覚的ストレスに関して、教職員としての意義ややりがいは保持しつつも、業務に対する負担感が高い状況が分かった。
調査、集計、分析とほぼ予定通りの研究進捗状況にあり、おおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

平成28年度データについては、今後詳細な分析を重ね、インターネット依存や自覚的ストレスが教職員に与える影響についてさらなる検討を実施する予定である。こうした得られた結果をまとめ、学会発表や学術論文として公表し、得られた知見の社会還元を積極的に行っていく見通しである。
また平成29年度は、対象を全国の高等学校に対して同様の質問紙調査を実施する予定である。調査規模は、対象校120校、対象教職員数約6000人を見込んでいる。今後、調査の準備を進め、より多くの高校あるいは教職員に回答して頂けるよう、調査への参加を積極的に働きかけていくよう取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

人件費および謝金が発生しなかったことが次年度使用額が生じた大きな理由のひとつである。人件費について、当初は調査票の準備・発送・回収・整理・集計前準備のために人材を雇用し、その作業要員として充てる予定であった。しかしながら、研究者や講座スタッフらが労力をかけその対応に当たり、人材雇用のための経費が発生しなかった。また、謝金については、当初、依存症に関連する研究を行っている医師から、本研究へのアドバイスや指導を受ける予定として計上していた。当該年度は上記の研究調査の運営に労力を傾注したため、予定したアドバイスや指導を受ける機会を設けることができなかった。
また、質問票の発送料を削減できたことも次年度使用額が生じた理由のひとつである。郵便、宅配便など多様な選択の中から、最安値を選択した工夫による可能性が考えられた。

次年度使用額の使用計画

次年度に、人件費および謝金として使用することを予定している。人件費について、当該年度で行えたような研究者や講座スタッフの労力を期待することができず、作業に関しては人材を雇用する予定としている。また謝金について、当該年度できなかった依存症に関連する研究を行っている医師から、本研究へのアドバイスや指導を受ける予定とし、研究調査をまとめるにあたっての参考にする予定である。
さらに、質問票の発送料に関し、当該年度同様の工夫を継続しつつも、宅配便各社が値上げを発表しており、今後の情勢として発送料の値上げは避けられない見通しである。次年度使用額にてそれに充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 学校職員におけるインターネット依存の有病率と関連因子2016

    • 著者名/発表者名
      津村秀樹、神田秀幸、菅谷渚、坪井聡、高橋謙造
    • 学会等名
      第75回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2016-10-26 – 2016-10-28
  • [学会発表] 学校職員におけるインターネット依存と不眠状態の関連2016

    • 著者名/発表者名
      津村秀樹、神田秀幸、菅谷渚、坪井聡、高橋謙造
    • 学会等名
      第51回日本アルコール・アディクション医学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-10-07 – 2016-10-08
  • [備考] 島根大学医学部環境保健医学講座 研究業績

    • URL

      http://www.med.shimane-u.ac.jp/envi_med/study/syudy_performance_1.html

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公開日: 2018-01-16  

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