研究課題/領域番号 |
15K08737
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉村 力 九州大学, 大学病院, 研究員 (20511885)
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研究分担者 |
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, その他 (90575284)
二宮 利治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30571765)
秦 淳 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00448432)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | むずむず脚症候群 / 疫学 / 予防医学 / 脳心血管病 |
研究実績の概要 |
福岡県久山町地域住民疫学調査において、一般住民のむずむず脚症候群(RLS)が疑われる症状、RLSの治療状況を保険師が質問表を用いて調査した。その質問表でRLSが疑われる方にはさらに追加の質問表を医師が行い、現在の睡眠時間、VASスケールによるRLS症状の困惑度、内服薬の摂取状況等を調査し、専門医による二次調査を行なった。同時に既往歴、家族歴、飲酒歴、喫煙歴を聴取し、採血、検尿を行った。その結果、40歳以上の住民2452名(男性1067名:43.5%、女性1385名:56.5%)が対象となった。International Restless Legs Syndrome Study Group(IRLSSG)による診断基準が各年度に改訂が成された。改訂順に、2003年の質問項目4つ当てはまる方は68例:2.7%、2005年のRLS確定診断104例:4.2%、2014年RLS確定診断101例:4.1%であった。日本における調査では2008年が4.0%、1.8%、2009年が0.96%であり、2008年の調査の結果に近くなっていることが判明した。同時に健診のデータセットを作製した。 今後、RLSの罹患と生活習慣病データおよび心筋梗塞などの血管障害を中心とした包括的な関連性を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、福岡県久山町地域住民疫学調査において、RLSの問診票、二次調査でRLSの診断を確定することが目標であり、次年度のRLSのデータセット固定までができた。また、健診受診時の検査漏れなども確認を行い、採血、検尿、既往歴、家族歴、飲酒歴、喫煙歴などのデータも固定できた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、データセットの見直しをしながら、RLSの罹患と生活習慣病データとの解析(高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、高尿酸血症)、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの血管障害との関連性を解析、検討する予定である。 解析終了後は、日本睡眠学会をはじめとした国内学会、アメリカ睡眠学会などの睡眠を主体とした国際学会への成果を発表し、英文論文にして発表を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
採血測定に関わる費用(2550,000円)を計上していたが、台風などにより健診が数日中止となったためか、健診受診者が予定より少なくなったため、採血項目の変更をした。承諾の上、ほとんどの採血を取り置きしており、追加の採血検体を考慮中である。 また、平成27年度にデータ入力・解析の補助者に関わる人件費(250,000円)を計上していたが、入力・解析等は自らで行った。平成28年度は解析内容がより複雑、かつ膨大になることが予想されるため、その際に有効活用できるよう、平成28年度での繰り越し金として計上することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
追加採血検体の提出を検討する。 データ解析はSAS統計を駆使しなければならず、複雑な統計処理・解析が必要である。そのため、専門家の補助を得るために人件費、学会発表・論文発表、その他の消耗品に計上することとしたい。
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