人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、死亡率24~76%といわれ、その起炎菌の多くが口腔内細菌由来であることから、口腔ケアによる予防が期待されている。口腔ケアを行う際の口腔内洗浄液の濁り(濁度)を濁度計で測定することにより、簡易的に口腔の潜在的な感染症のリスクを検査および評価できるかを検討した。対象症例数は12例と少ないものの、12例中口腔衛生状態が最も悪く、口腔内洗浄液の最も濁度が高い1症例においてVAP発症を認め、入院・挿管1日目に16S rRNA遺伝子シーケンスによる細菌叢解析にて検出された口腔内洗浄液内の細菌は入院28日目の血液培養検査で検出されたものと一致した。
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