研究課題/領域番号 |
15K08741
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
長多 好恵 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30228035)
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研究分担者 |
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
斉藤 重幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (60253994)
古畑 智久 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80359992)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大腸がん / イソフラボン / NATTS菌 / エコール産生酵素 |
研究実績の概要 |
【研究の目的および内容】研究はイソフラボンを含む栄養素摂取量、血中イソフラボン濃度およびSlackia sp.strain NATTS(以下、NATTS菌)などのエコール産生腸内細菌酵素と大腸がんのリスクとの関連を症例対照研究により比較検討する。NATTS菌と大腸がん発生に関する報告は皆無ではあるものの、その関連が示唆されている。本研究の目的は、イソフラボンおよびエコールの大腸がん予防効果を総合的に評価し、その疫学的根拠を得ることとする。具体的な調査項目は症例群(大腸がん患者)と対照群(非がん患者)において次の項目の測定を行う。 ①食生活調査により栄養素1日摂取量を算出(半定量的食物摂取頻度調査票による)②身長、体重、喫煙歴、既往歴 ③血中イソフラボン濃度 ③便中エコール産生腸内細菌酵素数 【結果】調査対象機関は札幌医科大学附属病院とし、文書により同意を得た患者を対象とした。症例群は新規に大腸がんと診断された患者32名 (27~88歳、平均年齢61.7歳)であり対照群は、循環器・腎臓・代謝内分泌内科通院中の患者30名(47~81歳、平均年齢67.1歳)であった。なお、本研究は札幌医科大学附属病院臨床研究審査委員会の承認を受けて実施している。症例群における喫煙者の割合は、対照群の喫煙者の割合より有意に多かった。症例群の血清ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン濃度は対照群と比較して有意に低かった。緑茶1日当たりの摂取量は、症例群では対照群と比較して有意に少なかった。THD:equol oxidoreductaseのEggerthella type検出数の割合は症例群では対照群と比較して有意に多かった。対照群における納豆の1日摂取量は、症例群と比較して有意に多かった。今後さらに対象者を増やしつつ研究継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度中に症例、対照各30例の対象者数とする予定である。 おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
血液、便の調査項目は結果がわかるまでにかなりの時間を要する。さらにはそれぞれの項目結果が同時ではない。したがって、調査が終了してもすべての結果が判明するまでに時間を必要とする。出来るだけ、研究分担者にも働きかけて早い段階で調査を終了したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、企業と大学との研究契約書の締結の多大な時間を要し研究実施が出来なかった。したがって、H28年度に研究費を繰り越したため次年度にも影響が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究対象者数を増やすことにより、謝礼および血液検体測定費用に充当する。
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