研究課題
総務省統計局平成25(2013)年10月1日推計人口、国立社会保障・人口問題研究所日本の将来推計人口(中位)、平成25年度衛生行政報告例特定疾患ベーチェット病及び天疱瘡の医療受給者証所持者数,性・年齢階級を用いて、2020~60年の両疾患受給者の性別年齢分布、及び患者数の推計を終了した。2013年度ベーチェット病受給者は19,147人であったが、2020年には19,234人、2030年18,487人、2050年15,590年と推計された。70歳以上のベーチェット病患者の割合は現在21%であるが、2020年に26%、2030年28%、2060年37%と推計された。天疱瘡の2013年度の受給者は5,596人、2020年の推計は5,835人、2030年は5,869人と増加、2040年に5,627人と減少傾向を示し、2050年は5,230人、2060年には4,775人に減少すると推計された。天疱瘡受給者の70歳以上の割合は2004年には29%であったが、2013年には37%となり、現在までに患者の高齢化が認められる。2020年には70歳以上の割合が43%、2040年には47%、2060年は54%と推計された。天疱瘡患者は今後約20年間患者数が増加した後、減少に転じ約40年後に現在より減少すると考えられる。両疾患とも今後日本の人口の高齢化に伴い、将来高齢化していくことが予測され、年齢構成の変化に伴い、患者全体の臨床疫学像も変化していくと考えられる。上記以外の難病18疾患についても2020~60年の患者数推計を行った。臨床調査個人票データベースは入手済みで、さらにレセプトデータ情報を入手し、病型や症状などの臨床像が将来どのように変化するか検討中である。開発が期待される治療法についての調査を継続し、それらが実用化された場合の臨床疫学像についての検討も継続中である。
2: おおむね順調に進展している
平成28年度の研究計画は以下のとおりである。1) 臨床調査個人票データベース(ベーチェット病、天疱瘡)の利用申請を厚労省に行い、入手する。2) 疾患別に各々の症状について、将来増加する症状、減少する症状を推計し、全体の臨床像の変化について検討する。3) 臨床疫学像の推計結果を基に、現在開発が期待されている治療法などが実用化された場合にどのような臨床疫学像となるか、患者数の推計と共にシミュレーションを行う。1)については入手済みで、さらにレセプトデータを入手し、2)と3)についての検討を継続中である。
すでに入手した臨床調査個人票データベース(ベーチェット病、天疱瘡)の疾患別に各々の症状について、将来増加する症状、減少する症状を推計し、全体の臨床像の変化について検討する。現在開発が期待されている治療法などが実用化された場合にどのような臨床疫学像となるか、患者数の推計と共にシミュレーションを行う。推計結果から今後の課題について検討する。研究成果を国内、国際学会で発表し、学術雑誌に投稿する。
H28年度に計上していたデータ整理のための人件費は、約1/2のデータ整理を研究代表者が行ったため使用しなかった。
H29年度はデータ整理のための人件費を使用する。また、論文の投稿料や英文校閲に使用する予定である。
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Brain Behavior
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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