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2016 年度 実施状況報告書

メタボリック症候群発症予測指標としての血中多価不飽和脂肪酸の有用性:職域疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K08752
研究機関日本医科大学

研究代表者

大塚 俊昭  日本医科大学, 医学部, 准教授 (80339374)

研究分担者 川田 智之  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00224791)
小谷 英太郎  日本医科大学, 医学部, 講師 (10287708)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードメタボリックシンドローム / 不飽和脂肪酸 / 中年男性 / コホート研究 / 予防医学
研究実績の概要

平成28年度は、昨年度に測定を完了した職域中年健常男性における血清中多価不飽和脂肪酸濃度とメタボリックシンドローム(以下MetS)との関連性について、横断面からの検討を行った。

対象者1058人中、99人にMetSを認めた。MetS群は非MetS群と比較し高齢(43.9±6.3 vs 47.1±6.4歳、p<0.001)だった。アラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)いずれも、非MetS群と比較しMetS群において有意な高値を認めた(AA:58.4±23.1 vs 74.1±43.9μg/mL、p<0.001、EPA:18.0±13.0 vs 24.0±18.0μg/mL、p=0.001、DHA:29.6±18.4 vs 47.5±39.0μg/mL、p<0.001)。一方、EPA/AA比は両群間で有意な差を認めなかった(非MetS 0.31±0.14、MetS 0.33±0.16、p=0.22)
。

以上から、本解析ではMetS群において血中多価不飽和脂肪酸濃度が有意な高値を示した。一方、我々は、MetS群においては血中多価不飽和脂肪酸とくにEPAやDHAなどいわゆる動脈硬化に対して「善玉」と位置づけられる多価不飽和脂肪酸は低値を示すものと考えていたため、我々の仮説と相容れない結果を得たこととなる。しかしながら、今回の解析はあくまでも横断面研究であり、因果関係を示す事はできない。すなわち、MetSを罹患している者は、健康増進のためにEPAやDHAなどを多く含む食品を積極的に摂取した結果、血中不多価飽和脂肪酸高値を認めた可能性も否定はできない。来年度に予定するコホート研究データを用いた検討により、これら疑問点を解決したいと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本課題2年目の主要テーマであった横断面研究の分析を完了することができ、概ね順調な進捗を示していると考えている。一方、本年度当初は、本年度中に横断面研究のみならずコホート研究部分についても分析を行う予定であった。しかし、データセットの作成等に時間を消費したため、本年度中のコホート研究結果の提示を行うことができなかった。しかしながら、最終年である平成29年度早々にはコホート研究結果の提示と論文作成は十分可能なため、研究がやや遅れているとまではいえないと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究課題の最終年である平成29年度においては、ベースラインにおける非MetS者を対象に、コホートデザインによるMetSの新規発症と血中不飽和脂肪酸濃度との関係を検討する予定である。これと併せて、平成29年度中の採択を目指し論文作成・投稿を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度当初は論文作成・投稿も含めた予算計画立案していたものの、本年度はコホート研究部分の分析に至らなかったため論文作成と投稿を行っていない。そのため、論文作成投稿部分の経費が未使用となった。

次年度使用額の使用計画

最終年度である平成29年度は、コホート研究部分の分析と論文作成・投稿を行うため、この予算として繰り越し分を使用する計画である。

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公開日: 2018-01-16  

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