研究課題/領域番号 |
15K08758
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
上城 憲司 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (90454941)
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研究分担者 |
田平 隆行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50337432)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 認知症予防 / 軽度認知障害 / 認知症の行動.心理症状 / 介護負担感 / 作業療法 |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想は、認知症予備軍と称される軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:以下、MCI)者および軽度認知症者の身体・認知・精神心理機能を総合的かつ客観的に評価し、前向き研究法により、MCIおよび軽度認知症者が要介護状態に陥る要因の解明を目指す実証的研究と、効果的で継続性のあるMCIおよび軽度認知症者の在宅生活支援プログラムを開発し、ランダム化比較試験を用いた介入研究によりその効果を検討する実践的研究からなる。 本研究の目的は、在宅で生活しているMCIおよび軽度認知症者とその家族介護者を対象とし、①身体・認知・精神心理機能を客観的に評価し、MCIおよび軽度認知症者が要介護状態に陥る要因を1年毎の前向き研究法などによって明らかにする(第一研究)。②家族介護の実態や認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia :以下、BPSD)のとらえ方、その介護に伴う介護負担感、介護肯定感および生活の質(以下、QOL)を調査し、その特徴を明らかにする(第二研究)。③効果的で継続性のあるMCIおよび軽度認知症者の在宅生活支援プログラムを開発し、ランダム化比較試験を用いた介入研究によりその効果を検討する(第三研究)。 平成27年度から平成29年度の研究期間内に第一研究、第二研究を行い、一部成果を論文として公表した。第一研究では、MCIおよび軽度認知症者が要介護状態に陥る要因として、認知機能と生活習慣(IADL)との関連性が確認された。また、外出の頻度が減ることで認知機能が更に低下する悪循環があることが示された。第二研究では、BPSDおよび介護負担感を性別に比較した。その結果、女性介護者は男性介護者に比べBPSDの頻度の高い人を介護し、負担感も高い傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第一研究の、MCIおよび軽度認知症者が要介護状態に陥る要因研究は終了したが、第二研究の認知症カフェ、第三研究の認知症予防事業の参加者が少なく予定した対象者数に達していないためデータ解析ができていない。また、データ収集を予定していた1自治体より介入研究の継続中断の申し出があったため、代替えの自治体への交渉を行っている。 研究期間の3年を過ぎ今年度延長申請を行ったため、現在までの進捗状況は「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
前述したが現在研究フィールドの拡大のため、市町と研究協力の交渉を重ねている。第二研究については、小城市、神埼市に加え鹿島市からも同意を得たため、今年度データ収集を終える予定である。また、第三研究については、神埼市の開催頻度を増すように依頼をかけている状況であり、これについても今年度データ収集を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の目的は、在宅で生活しているMCIおよび軽度認知症者とその家族介護者を対象とした横断的評価と在宅生活支援プログラムを開発し、ランダム化比較試験を用いた介入研究によりその効果を検討する。調査を予定していた自治体の担当者が移動となり、研究の継続が困難となった。新たに研究の着手許可の得られる自治体を探し研究を再開したが、データ数が少なくデータ解析ができなかった。そのため平成30年度まで研究期間の延長を申請した。
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