研究課題
50歳以上の糖尿病患者を対象に水痘帯状疱疹ワクチンとプラセボによる二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験を行う。効果指標としての主要評価項目は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原刺激による全血IFN-γアッセイ値とし、VZVに対する特異的細胞性免疫を評価する。副次評価項目は ①VZV抗体価(ELISA)②安全性とする。被験者が目標数に達しなかったため、エントリー期間を2015年(平成27年)6月から2017年(平成29年)3月までの21か月から、6月までの24ヶ月に延長した。これに伴い、安全性の観察期間は2018年(平成30年)2月までとする。過去の研究成果を踏まえて、以下の3群に割り付け、2回接種を行ってきた。A: プラセボ(生理食塩水) + プラセボ(生理食塩水)B: 水痘生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」) + プラセボ(生理食塩水)C: 水痘生ワクチン + 水痘生ワクチン水痘帯状疱疹ワクチン接種前後の血液を採取し、IFN-γアッセイを行った検体と抗体価測定用の血清は凍結保存している。IFN-γと抗体価測定を進めているが、群間比較は未だ行っていない。全血IFN-γアッセイについて糖尿病患者での評価に適切な検査であるかを評価するために、23歳から80歳までの健常成人男性10名女性10名計20名の水痘帯状疱疹ワクチン接種前後の変化を評価した。接種前後比1.76±0.48と平均1.8倍の上昇がみられた。サンプルサイズは検出力(power)を0.8以上とするために74例必要であり、脱落も考慮して80症例を目標としていたが、平成29年5月に80例のエントリーが終了した。今後も介入を続け、糖尿病患者が、健常成人の数値と同様の効果がみられるか否かを調べる方針である。
3: やや遅れている
被験者が当初のエントリー期間までに目標数に達しなかったため、期間を2015年(平成27年)6月から2017年(平成29年)3月までの21か月から、6月までの24ヶ月に延長した。これに伴い、安全性の観察期間は2018年(平成30年)2月までに延長された。
目標数に達した被験者に対して、引き続き二重盲検比較試験を遂行していく。
少額のため、次年度に有効に利用することが妥当と考えらえた。
実験用消耗品購入に充てる予定である。
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