研究課題
50歳以上の糖尿病患者を対象に水痘帯状疱疹ワクチンとプラセボによる二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験を行う。主要評価項目は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原刺激による全血IFN-γアッセイ値にて、VZVに対する特異的細胞性免疫を評価する。副次評価項目は ①VZV抗体価(ELISA)②安全性とする。過去の研究成果を踏まえて、以下の3群に割り付け、二重盲検で試験薬の2回接種を行ってきた。A: プラセボ(生理食塩水) + プラセボ(生理食塩水)B: 水痘生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」) + プラセボ(生理食塩水)C: 水痘生ワクチン + 水痘生ワクチン全血IFN-γアッセイについて糖尿病患者での評価に適切な検査であるかを評価するために、23歳から80歳までの健常成人男性10名女性10名計20名の水痘帯状疱疹ワクチン接種前後の変化を評価したところ、平均IFN値±標準誤差は、ワクチン接種前78.8±16.8、接種後84.1±17.9、と前後値のt検定での有意差はなく、接種前後比1.76±0.48と平均1.8倍の上昇がみられた。サンプルサイズは検出力(power)を0.8以上とするために74例を要したため、エントリー期間を2017年(平成29年)6月までの全24ヶ月、また安全性の観察期間を2018年(平成30年)2月までに延長した。H30年5月現在、85名の患者登録を終了し、1年後の最終採血がH30年7月までに終了予定である。これまでに、被験者に帯状疱疹発症の報告はない。水痘帯状疱疹ワクチン接種前後の血液を採取し、IFN-γアッセイを行った検体と抗体価測定用の血清は凍結保存しており、順次IFN-γと抗体価測定を進めているが、群間比較は未だ行っていない。最終の血液検査を待って、糖尿病患者が、健常成人と同様の効果がみられるか否かを明らかにする方針である。
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Pediatr Int.
巻: 59 ページ: 1116-1118
10.1111/ped.13362.