研究課題/領域番号 |
15K08772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥田 裕子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30709663)
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研究分担者 |
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (50124574)
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研究協力者 |
高橋 勉
野口 篤子
原田 浩二
Youssefian Shohab
人見 敏明
小林 果
加畑 理咲子
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児四肢疼痛発作症 / 難病 / SCN11A / チャネロパチー |
研究成果の概要 |
我々はナトリウムチャネルをコードするSCN11Ap.R222S/H変異が原因である遺伝性四肢疼痛発症家系を見出し、その機能解析によって、この変異が疼痛症状を引き起こすことを示唆した(Okuda et al., 2016)。さらに疼痛家系42家系を集積し、p.R222H変異が東北地方で多く存在すること、SCN11A新規変異(p.F814C、p.F1146S)を見出した。またこれら変異を持つノックインマウスを作成し、変異によって疼痛経路の過剰興奮が起こり、疼痛発作を引き起こすことを示唆した。2018年、この成果を論文として発表した(Kabata et al., Plos one 2018)。
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自由記述の分野 |
生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疼痛発症のメカニズムおよびその診断や治療法は未だ確立されていない中、我々は小児における発作性四肢疼痛の原因遺伝子を確定し、新たな疾患概念として「小児四肢疼痛発作症」と命名、初めて遺伝子検査を可能にした。さらに、本疾患は日本全国に分布していることを解明し、これまで見過ごされてきた本疾患患者が未だ潜在的に多く存在している可能性を示唆した。本課題で同定したSCN11A変異はこれまで海外症例のみの報告であり、新たな疼痛機序解明の糸口となりうると考える。今後、引き続き全国的な症例収集、遺伝子変異の同定、客観的診断基準の確立を行うことによって、本疾患の社会的認知と治療体制整備への寄与が可能になると考える。
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