研究課題/領域番号 |
15K08782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
福島 哲仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90208942)
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研究分担者 |
熊谷 智広 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20528111)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 癌細胞 / パラコート / ラジカル感受性 / パーキンソン病 |
研究成果の概要 |
我々の研究からメチルニコチンアミドが脳内complex Iでラジカルを産生し、パーキンソン病の発症に関与していることが示唆され、同様の現象が全身に起こり、活性酸素に弱い癌細胞が増殖を抑制されるという仮説をもとに、活性酸素による癌細胞増殖抑制効果を検証した。マウス肝臓癌細胞が死に、正常細胞が生き残る最も治療効果が高いパラコートの濃度は、培養2日目までは3μM、7日目では1-2μMであることがわかった。ヒト培養細胞では、乳腺においては、乳癌細胞より正常乳腺細胞がパラコートラジカルへの感受性が高く、肝臓では、培養7日目で肝臓癌細胞が正常肝細胞よりパラコートラジカルへの感受性が高いという結果であった。
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自由記述の分野 |
予防医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病やアルツハイマー病等の神経疾患と癌の発症が逆相関することはよく知られており、一方が他方の発症を抑制している可能性がある。パーキンソン病患者では、nicotinamide N-methyltransferase活性が亢進し、体内で1-methylnicotinamide産生が増加しており、全身の細胞で活性酸素が比較的多く発生するため癌細胞は増殖しにくいが、長期の活性酸素の影響で神経細胞のミトコンドリアの機能異常が生じ、パーキンソン病に至るという仮説が導き出された。この仮説をもとに、活性酸素に対する癌細胞と正常細胞の感受性の差に注目して癌の治療に活かせないかと考えた。
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