研究課題/領域番号 |
15K08785
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
青木 健 山口大学, 教育学部, 准教授 (60332938)
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研究分担者 |
柳田 亮 日本大学, 医学部, 助手 (00644741)
小川 洋二郎 日本大学, 医学部, 准教授 (60434073)
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 教授 (80287630)
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 教授 (50271078)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 日内変動 / 心循環調節 / 血圧変化 / 暑熱環境 |
研究実績の概要 |
近年、高齢者を中心に突然の環境温度の変化を原因とした身体への影響(サーマルショック)による死亡事故例が多くみうけられることが問題視されている。なかでもそれらの事例において一日の中で時間帯による違いがあることも報告されている。これまでの一連の研究により、暑熱・寒冷環境下での一過性に血圧を低下あるいは上昇させた場合の循環調節応答についても日内で変動を示し、特に朝の時間帯は調節能力が低下することが判明している。しかしながら、一定時間の持続的な頭部への血液量増加(頭を水平位より地面方向に下げる:ヘッドダウンティルト)に対して、各循環調節系がどのような日内変動特性を示すかについては明らかではない。そこで本研究では、入浴時における浴槽内での持続的な浸水場面を想定し、高温・高湿環境下において人為的に持続的な頭部への血液量増加を生じさせた際の循環調節系への影響について、特に日内変動特性に着目し、朝と夕方の時間帯において実験により検討することを目的とした。 その中で本年度においては、高温環境のみの影響を検討することを目的として実験を行った。その結果、朝においては血圧指標には、常温状態から高温状態ならびに高温状態+ヘッドダウンティルト時において、有意な変化は示さなかった。一方、夕方においては高温刺激により血圧指標は有意に低下し、その状態はつづくヘッドダウンティルト時も持続された。さらにヘッドダウンティルト終了後、水平位に戻すことで血圧指標の上昇が認められた。現在、詳細なデータ分析を継続して行っているが、同一の温熱刺激に加えた血液量の変化に対しても、朝と夕方ではその応答性が異なることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、研究代表者の異動に伴い実験環境の再構築を行ったため、一部のパラメータについては、測定方法などについて見直しをすることとなった。そのような状況下ではあったが、おおむね当初の計画通りに実験計画を遂行することができた。次年度については実験環境に大きな変化はなく、続けて計画に沿った研究を遂行できるものと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を遂行するうえで重要となる測定機材については、概ね構築されている。次年度については、次の実験計画に沿った測定環境を作りだすための物品の購入や整備が必要となることから、まずその点について取り掛かることとする。共同研究者との連携についても状況に変化はないことから、環境が整った時点で次の実験を計画に合わせて実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動に伴い、実験環境ならび実験を遂行するうえで使用する機材に変更が生じたため、必要とする実験用器材や測定機器類の購入が当初の計画とは異なることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の実験計画『高温に加え高湿環境下での持続的な頭部血液量の増加に対する循環機能の日内変動特性に関する実験的研究』を実施するにあたり、主に湿度制御が可能な環境を構築するための機材購入への使用が見込まれる。その他、実験に必要な機材や消耗品の購入を含めて使用する計画である。
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