研究課題
平成28年度から29年度にかけて、2つの独立した症例対照研究(HERPACC2, HERPACC3)を実施し、喫煙、野菜果物摂取、ピロリ菌感染と胃粘膜萎縮とを組み合わせたABC分類を使ったリスク予測よりも、PSCA遺伝子多型(rs2294008,)を加えることでリスク予測精度が統計学的有意に上昇することを示した。平成30年度は、既報のGWAS研究により同定された10個の胃がん感受性遺伝子多型のうち、HERPACC2(症例697例と性と年齢を適合させた対照者1372例)ならびにHERPACC3(症例678例と性と年齢を適合させた対照者678例)の症例対照研究において胃がんリスクと関連を示した多型を3つ(PRLAA1-rs10074991、 UNC5CL-rs2294693、ASH1L-rs80142782)を加えて、リスク予測精度を評価した。喫煙、野菜果物摂取、ABC分類による分類と4つの遺伝子多型を含むリスク予測モデルのROS解析によるAUCは、それぞれの症例対照研究において、0.79 (95%信頼区間, 0.77-0.81)と0.80 (0.77-0.82)と、精度が高かった。しかし、PSCA遺伝子多型のみを加えたリスク予測モデルと比べ、精度はほとんど変わらなかった(喫煙、野菜果物摂取、ABC分類とPACA遺伝子多型によるリスク予測モデルのAUCは、それぞれの研究で0.78 (0.76-0.80) と0.80 (0.77-0.82)であった)。本研究で開発した喫煙、野菜果物摂取、ABC分類とPACA遺伝子多型によるリスク予測モデルは、日本人における胃がんのハイリスク群を補足でき、胃がんの個別化予防プログラムへの応用の可能性を示唆するものであった。
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