研究課題
2005年位から第3世代セファロスポリンに耐性を示す鶏肉由来サルモネラが、有意に増加した。しかし、2011年をピークとして有意に減少に転じた。セファロスポリン耐性の主体はAmpC型のβラクタマーゼ CMY-2 であり、その他に 基質特異性拡張型 β ラクタマーゼ産生株の増加・減少も認められた。CMY-2 の遺伝子である blaCMY-2 は約 280 kbp のプラスミドに含まれており、ISEcp1 の近傍に存在していた。2015 年現在、bla TEM-52 を保有する IncX1 型のプラスミドを保有する鶏肉由来サルモネラは依然分離され続けており 問題である。当該耐性株の急増、そして減少は、養鶏現場におけるワクチン接種時の第三世代セファロスポリン(セフチオフル)使用および使用自粛の時期と呼応しており、当該薬剤使用の影響と考えられた。サルモネラ血清型 Typhimurium と Infantis 各 3 株を同時に初生雛(SPF) 8 羽(グループA)に経口摂取した。その後サルモネラ未接種の 3 グループと同居させた。その結果、すべてのグループの鶏が、両血清型に感染(腸管および肝臓)した。ブロイラー養鶏場で非常に優勢を誇る血清型 Infantis であるが、本実験では血清型 Typhimurium と比較してInfantisの基本再生産率は相違が認められなかった。血清型 Infantis(205 株)、Enteritidis(177 株)およびCrvallis(90 株)の遺伝子型をパルスフィールドゲル電気泳動法で確認した。このときシンプソン・インデックスは 0.79、0.70 および 0.78 と低値を示した。これは当該菌株が宿主である産卵鶏および肉用鶏の遺伝的多様性の低さに適応して進化したことを示唆していると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)
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