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2015 年度 実施状況報告書

危険な自殺手段制限のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K08798
研究機関旭川医科大学

研究代表者

吉岡 英治  旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70435957)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード自殺対策 / 自殺手段 / 疫学
研究実績の概要

平成27年度は、「練炭自殺の地理的分布」、「手段的自殺の長期的推移」に関する検討を実施した。
「練炭自殺の地理的分布」では、1999年から2013年までの男女別、都道府県別、自殺手段別(ICD-10コード)の自殺死亡者数のデータを人口動態統計から抽出した。練炭自殺とは、密閉した空間において練炭などの燃焼により一酸化炭素を発生させ、それによって中毒死を図るという自殺手段である。ICD-10コードでは、練炭自殺を特異的に示すコードはなく、このタイプの自殺手段は、X67(その他のガス及び蒸気による中毒及び曝露に基づく自傷及び自殺)に含まれている。X67には、この自殺手段の他に、乗用車の排気ガスによる自殺、家庭ガスによる自殺も含んでいる。我々の推計では、2007年におけるX67コードの中で、約80%が練炭自殺によると考えられるため、本研究ではX67を練炭自殺によるものとして解析を行った。都道府県は人口密度により4群にし、小さい順から、most rural、second most rural、second most urban、most urbanとした。我が国では、近年、most ruralにおいて最も高い自殺率が観察されている。解析の結果、2000年代始めに練炭自殺が急増したが、most ruralに顕著であった。特に男性で、この時期に自殺率の地域間格差の拡大が観察された。
「手段的自殺の長期的推移」では、人口動態統計における男女別、年齢階級別、自殺手段別(ICD-2から10)の自殺死亡者数のデータを使用するが、これらはまだほとんど電子化されていないものであるため、紙媒体のものを表計算ソフトのスプレッドシートに入力した。平成27年度中にデータ入力作業は終了し、その後データ解析作業を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「練炭自殺の地理的分布」の成果は、すでに学術論文として、報告している。
「手段的自殺の長期的推移」に関しても、データ入力はすでに終了し、平成28年度中に学術論文として、報告する予定である。

今後の研究の推進方策

平成28年度以降も、基本的には当初の実施計画にしたがって、研究を進めて行く予定である。

次年度使用額が生じた理由

2015年1月から10月まで、休職をし、ハーバード大学公衆衛生大学院の客員研究員として、米国ボストンに滞在した。このため、研究の進め方を若干変更し、当研究費において次年度使用額が生じた。しかしながら、幸い、研究の進捗には大きな影響は見られていない。

次年度使用額の使用計画

平成27年度の予定の一部は、平成28年度の前半に実施することを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Spatial and temporal evolution of the epidemic of charcoal- burning suicide in Japan2016

    • 著者名/発表者名
      Eiji Yoshioka, Yasuaki Saijo & Ichiro Kawachi
    • 雑誌名

      Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology

      巻: Jan 27. ページ: Epub

    • DOI

      10.1007/s00127-016-1172-0

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Spatial and temporal evolution of the epidemic of charcoal- burning suicide in Japan2016

    • 著者名/発表者名
      Eiji Yoshioka, Yasuaki Saijo & Ichiro Kawachi
    • 学会等名
      第26回日本疫学会学術総会
    • 発表場所
      米子
    • 年月日
      2016-01-22 – 2016-01-23

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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