蚊が媒介するデング熱やジカウイルス感染症を予防するためには、環境中の蚊の個体数を低く抑え、蚊に刺されないための対策が重要である。蚊防除を徹底的に行い、住民への情報提供と教育普及に熱心なシンガポールにおける調査では、シンガポール国民および永久居住者のなかには、政府からの情報の活用頻度は高いものの、蚊がいないため蚊防除は行わないという意見の人が少なからずいた。在留邦人では予防方法と媒介蚊に関する知識普及が不十分であり、これには言語が壁となり、現地政府からの流行情報や教育材料が活用されていない実態が明らかになった。本研究により、今後現地および日本において予防対策を強化するための検討材料が得られた。
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