研究課題/領域番号 |
15K08817
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
吉田 裕人 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (40415493)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Frailty(虚弱) / 医療費 / 介護費用 / 費用抑制効果 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、昨年度札幌医科大学(当該研究課題の対象フィールドである美唄市で、過去共同研究を行った経緯あり)が実施した高齢者健診(75歳以上対象)から得たFrailty(虚弱)のデータ整理を行った。本研究課題においては、Frailty(以下、フレイル)判定に15項目からなるFrailty Index for Japanese elderly(以下、FI-J)を用いており、健診における質問票にFI-Jを掲載してもらい、データを得た。FI-Jは体重減少や筋力の低下、身体活動の低下などの有無を問い、全てに該当すると15点となり、4点以上をフレイルとする。昨年度、本健診受診者174人のうち34人、すわなち約2割(19.5%)にフレイルが認められた。フレイル保有者の平均年齢±標準偏差は79.3±4.5歳、女性は44.1%であり、フレイル非保有者との間に有意な違いは認められなかった。また、設問のうちフレイル保有者の該当割合が比較的高かったのは、「一日中家の外には出ず、家の中で過ごすことが多い」21.8%、「この一年間に転んだことがある」26.4%、「1kmぐらいの距離を続けて歩くことができない・できるが難儀する」25.3%、「この6ヶ月間に以前に比べてからだの筋肉や脂肪がおちてきたと思う」35.1%であった。75歳以上で健診に参加する高齢者は比較的自立度が高く、健康意識も高いものと考えられるが、それでもフレイル保有者は、足腰を中心に筋肉の減少傾向があり、転倒恐怖などから閉じこもりの傾向が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定よりベースラインデータ規模が小さくなったが、それでも75歳以上の健診受診高齢者のFrailty(以下、フレイル)データを入手している。今年度、北海道美唄市において行う予定の高齢者のフレイルの有無を判定するアンケート調査データと本データとを連結し、当初予定していた分析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は北海道美唄市において、高齢者の虚弱(フレイル)の有無を判定するFI-J(Frailty Index for Japanese elderly)を含んだアンケート調査を実施する予定である。この調査によって約6,000人の65歳以上高齢者の「虚弱」有無情報などを入手し、当初予定していた分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に行う予定だった調査が他機関の都合と重なり、データ自体は他機関の調査を協力することで小規模ながら入手できたが、予定の規模ほどのものは実施できなかったため、費用の余剰が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は北海道美唄市において、高齢者の虚弱(フレイル)の有無を判定するFI-J(Frailty Index for Japanese elderly)を含んだ大規模なアンケート調査を実施する予定であり、より詳細なデータを得るなどその調査の充実のための費用に充当する。また、研究成果報告にかかる費用にも充当する。
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