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2016 年度 実施状況報告書

無承認無許可医薬品・ハーブ中のアルカロイドの新規高感度・迅速分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K08818
研究機関いわき明星大学

研究代表者

山崎 勝弘  いわき明星大学, 薬学部, 教授 (20250334)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードアルカロイド / エフェドリン / NBD-F / 蛍光誘導体化試薬 / 固相抽出法
研究実績の概要

蛍光ラベル化法によるアルカロイド成分の分析法の確立
アミノ酸などアミノ基を有する成分分析には種々のラベル化試薬が用いられ、定性・定量に用いられている。我々は、今回、確認試験が困難である生薬成分中のアルカロイドを高感度で検出するために、試料抽出液にNBD-F(4-fluoro-7- nitrobenzofurazan)試薬を用いて発色させ、さらに蛍光を測定し、配合生薬固有の確認試験ができるかについて検討した。生薬や製剤中に配合されるエフェドリン類に由来するアルカロイドは、NBD-Fによって誘導体化され赤色に変化し、これを500 nmで測定した。エフェドリン類のうち、ℓ-エフェドリン(1級アミン)、ノルエフェドリン、d-プソイドエフェドリン(いずれも2級アミン)の3つが高感度で定量できることが明らかになった。しかし、3級アミンであるメチルエフェドリンはNBD-Fでは標識されなかった。エフェドリン類の定量感度は従来法に比べて10倍ほど良好であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)アルカロイドの固相抽出法を用いた分析法の確立
胃腸薬製剤中のトロパンアルカロイドであるアトロピン及びスコポラミンの分析法を固相抽出法で検討した。製剤中のアトロピンとスコポラミンの定量分析に、強陽イオン交換と逆相の両方の性質を持つ固相カートリッジOasis MCXを用いてクリーンアップし、HPLCで分析した。試料にロートエキスを配合する胃腸薬5品目を用いて、製品中のアトロピン及びスコポラミンを分析した。洗浄に水/メタノール/アンモニア混液を用いることで、分析の妨害となるほとんどの夾雑物質が簡便に除去することができ、良好な分析が可能となった。

(2)蛍光ラベル化法によるアルカロイド成分の分析法の確立
エフェドリン類については,新しい分析法として,アミノ基に特異的に結合する蛍光誘導体化試薬であるNBD-F等を用いて,蛍光検出器- HPLC分析法を用いて高感度かつ特異的な分析法を検討した。本分析法においては,エフェドリンアルカロイドを含有する漢方エキスを用いて、検出限界、定量限界、妨害成分の有無等について検討した。エフェドリン類の定量感度は、従来法に比べて10倍ほど良好であった。

今後の研究の推進方策

(1)NBD-F試薬を用いて,分析可能なアルカロイドを網羅的に検索する。特に1級アミン及び2級アミンを持つ物質に特異的に反応することが予想されるが,実際にその分析法がどのアルカロイドに適用可能であるかを検討する。要するに,本手法が実際に適用できる範囲を検討し,それらの分析法を確立していく。
(2)蛍光ラベル化試薬で反応しないアルカロイドについての検討を行う。3級アミンからなるアルカロイドについては,直接,蛍光ラベル化試薬のN(窒素)への結合が困難であることが予想されることから,窒素部位を2級アミンに変換(結合の切断等)後,蛍光ラベル化試薬を結合させることを検討する。

次年度使用額が生じた理由

物品購入量が、予定していた額よりも少なくて済んだことなど。

次年度使用額の使用計画

より計画的に予算執行を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] プレカラム誘導体化試薬を用いたマオウ含有漢方製剤中のエフェドリンアルカロイドの分析(第2報)2017

    • 著者名/発表者名
      山崎 勝弘、三浦 誉司
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2017-03-26

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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