研究課題/領域番号 |
15K08829
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
佐藤 元 国立保健医療科学院, 政策技術評価研究部, 部長 (70272424)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コミュニケーション / 社会医学 / マスメディア / 健康リスク / 国際比較 / 健康危機 |
研究実績の概要 |
健康リスクの評価と管理に関わる政策、特にリスクの需要と忌避、またリスク・有害事象への対応・政策選択にかかるリスクコミュニケーションのあり方、中でもマスメディアが政策議論に果たす機能、日本・欧米・アジアにおける同リスクの管理・コミュニケーション戦略の現状について比較実証分析を行う。マスメディア報道とともにSNSによるコミュニケーションを比較しつつ、リスク対応におけるメディア監視と政府・健康医療関連機関による報道のありかた、有効性を検討する。健康有害事象の発生前、発生時また発生後の政策・コミュニケーション対応の推移を参照しつつ、上記メディアの果たした機能や役割を実証的に分析すると共に、リスクコミュニケーションの戦略的管理の可能性を検討する。 初年度は、食の安全・リスクにかかわる問題としてBSEと輸入食品問題への対応を巡るメディア報道を検討する目的で、日本および英国の主要日刊紙の報道記事を収集した、また、2014年のエボラウィルス流行を受けて、エボラにかかるリスク認知、受領行動および日常生活に関するアンケート調査を実施した。加えて、医療機関における(大規模)事故・感染症の発生に対する危機対応において、コミュニケーションの役割がどのように位置づけられているかについての資料収集を開始した。本年度は、上記で収集したデータを解析すると共に、補完的な少人数インタビュー調査を実施した。この追加調査結果についても、結果の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査およびデータ解析を共同で進めていた海外研究協力者が、本年度後半に体調を崩したため、収集データの解析に若干の遅れが出ています。
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今後の研究の推進方策 |
十分な協力を得ることが困難となった海外研究協力者に代わって、国内研究者1名を共同研究者に加え、共同でデータ解析を続行する予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、海外研究協力者の体調不良により、予定していた当該研究者との海外における打ち合わせおよび共同作業実施への研究費支出ができなかったため、自らの時間で作業を継続した。また参加予定の国際学会に演題申し込みを行ったが採択されなかった為、あらためて次年度に国際学会への参加としたものです。
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次年度使用額の使用計画 |
海外研究協力者への支出は、追加予定の国内共同研究者への研究費配分として使用する予定です。また、2017年秋の国際学会に参加して研究成果の発表を予定しています。
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