研究課題/領域番号 |
15K08834
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
田上 貴臣 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (00321943)
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研究分担者 |
武田 章弘 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 技師 (00622755)
土井 崇広 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (90516767)
淺田 安紀子 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (80622753)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 危険ドラッグ / 分析 |
研究実績の概要 |
近年、危険ドラッグの濫用に伴う事件、事故発生が社会問題となっている。その原因究明や流通している危険ドラッグ製品の分析には、高感度な分析法、信頼性の高い分析法や異性体を識別できる分析法の確立が必要である。本研究では、ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)、ガスクロマトグラフィー/タンデム型質量分析計(GC/MS/MS)及び液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC/MS)を用いた危険ドラッグの分析法について検討した。 1-アダマンチルアミンを原料とするカルボキサミド型合成カンナビノイドが知られている。これらの薬物には2-アダマンチルアミンを原料として合成される位置異性体が存在する。危険ドラッグ分析に繁用されているGC/MSおよびGC/MSより高感度かつ選択性の高い分析機器であるGC/MS/MSを用い6種類の1-アダマンチルアミンを原料とするアダマンチル基含有カルボキサミド型合成カンナビノイド及びそれぞれの位置異性体(2-アダマンチルアミンを原料として合成される)を分析した結果、マススペクトル情報を用いることにより、検討したすべての薬物について、それぞれの位置異性体の識別が可能であることを明らかにした。 また、4種類の合成カチノン(エチルメトカチノン、フルオロメトカチノン、エチルエトカチノン、フルオロエトカチノン)の位置異性体を対象に、LC/MSによる位置異性体(オルト-、メタ-、パラ-)の分離分析法を検討した結果、ナフチルエチルカラムを用いることにより、それぞれの異性体を完全に分離することが可能な分析法を確立した。 今後、GC/MS、GC/MS/MS、LC/MSを用いた高感度かつ識別能に優れた分析法の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高感度化は達成できなかったものの、GC/MSおよびGC/MS/MSを用いたアダマンチルアミンを原料とするカルボキサミド型合成カンナビノイドを対象として、マススペクトル情報に基づく識別能に優れた分析法を確立することができた。また、4種類の合成カチノン(エチルメトカチノン、フルオロメトカチノン、エチルエトカチノン、フルオロエトカチノン)を対象に、ナフチルエチルカラムを用いたLC/MSによる位置異性体の分離分析法を確立した。これらの分析法は危険ドラッグ分析において有用であると考えられることに加え、ナフチルエチルカラムを用いた分析法は、合成カンナビノイドの位置異性体分析法の確立につながると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
【GC/MS/MSによる分析】平成28年度の検討において、マススペクトルを解析することにより、MS/MSの特性を生かした位置異性体識別法を確立した。さらに対象を拡大し、識別能に優れた分析法の確立を目指す。 【誘導体化による分析】様々な誘導体化の手法を検討することにより、高感度な分析法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は現在保有している標準品を用いて分析条件の検討などを行った。新たな標準品などについての購入を平成29年度に行うとしたことから、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
誘導体化については新たなルートでの誘導体化を検討する。また平成29年度に標準品などを購入し、分析法の確立を目指す。
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