研究課題/領域番号 |
15K08835
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
高橋 和郎 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10171472)
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研究分担者 |
左近 直美 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (50291216) [辞退]
上林 大起 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (50622560) [辞退]
原田 哲也 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (70516723) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 病原微生物 / Qプローブ法 / 網羅的 / 感染症対策 / 迅速 / 高感度 |
研究実績の概要 |
(1)Qプローブ法(新規のPCR法)を用いた臨床検体への応用とその性能の評価 平成27年度に、Qプローブ法を応用した臨床検体は腸管出血性大腸菌感染症、カンピロバクター腸炎それぞれ1検体で、分離培養法と比較して菌種の結果は一致した。便検体採取から診断結果判明までの所要時間は約1時間を要した。腸管出血性大腸菌の同定後、直ちに所管の保健所へ報告することが可能であった。 マイコプラズマ感染症疑い患者検体の検査を実施中に、日本では検出された報告がない希有なマイコプラズマの菌種を同定、発見した。研究成果が公表される予定である。 (2)病原微生物のQプローブ検出法の確立 平成27年度は、胃腸炎・食中毒の原因である黄色ブドウ球菌、呼吸器感染症の原因である肺炎球菌、肺炎桿菌の検出法を作製した。また、院内感染対策上重要な血流感染症の原因微生物である緑膿菌、エンテロコッカス、エンテロバクター、クレブシエラ菌の検出法も作製した。最少検出感度を決定し、最少で10コピーを高感度に検出することが可能であった。血液培養が陽性となった5例の血液検査ボトルから直接検体を採取し、Qプローブ法で同定したところ培養同定法の結果と完全に一致した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は研究代表者が異動し(H27,3月に決定)研究の基盤作りに日数を要した。また、研究協力者が所属する大阪府立公衆衛生研究所は移転、独法化の予定で、その準備に時間を要し、本研究に従事する時間が減少した。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の現在の部署では、研究基盤もある程度整い、大学院生1名および検査技師2名が研究に従事している状況である。今後、研究対象とする感染症の優先順位として、呼吸器感染症、中枢神経系感染症および院内感染対策上重要な血流感染症とし、研究計画に基づいて臨床検体への応用ならびに残る病原微生物検査法の作製に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は研究代表者の異動のため、新部署での研究基盤の構築、また、大学院生等研究従事者の確保に日数を要し、研究の進行が大幅に遅れたため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在は研究基盤もある程度整い、大学院生1名および検査技師2名が研究に従事している状況である。今後、研究対象とする感染症の優先順位として、呼吸器感染症、中枢神経系感染症および院内感染対策上重要な血流感染症とし、研究計画に基づいて臨床検体への応用ならびに残る病原微生物検査法の作製を行う予定であり、相応の消耗物品が必要となるため研究費を適正に使用することに努めたい。
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