研究課題/領域番号 |
15K08838
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50270913)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療評価 / 質指標 / アウトカム評価 / 診療報酬データ / DPCデータ |
研究実績の概要 |
協力の得られたDPC病院からDPC調査データを収集し過去5年分のデータを含むデータベースを構築した。収集するデータは、退院情報に関する様式1ファイル、診療明細情報に関するEFファイルとした。これらのデータは連結可能匿名化(連結キーは医療機関のみが保有)されていて個人情報は含まれていない。 診療ガイドライン等に基づく、術後抗菌薬使用、予防的抗凝固薬使用、早期リハビリテーションの提供等に関するプロセス指標を、医療業務データであるDPCデータから算出した。また、入院中死亡率、合併症発生率等のアウトカム指標をDPCデータより算出した。これらのデータを過去5年分902病院のDPCデータより計算ロジックに基づいて一括して集計計測した。 個別医療機関のパブリック・リポーティング(医療の質指標の公表)の状況は、国立病院機構(公表病院45病院)、日本病院会(30病院)、全日本病院会(43病院)、全国自治体病院協議会(108病院)、済生会(50病院)等の各病院団体のweb等への公表状況に基づいて把握した。個別病院独自でのリポーティングの有無は各医療機関のホームページ等で確認した。 医療機関ごと、指標ごと、年次ごとにそれぞれの医療評価指標を集計し、医療機関識別、指標識別、調査年次、医療機関ごとのパブリック・リポーティングの有無、病院名公表の有無、指標ごとのパブリック・リポーティングの有無、リポーティング開始後の年数、計測値から構成されるデータセットを作成した。その上で、多変量解析、トレンド分析等によって、パブリック・リポーティングの有無、その時期、公表方法、病院名を公表しているか等の公表範囲等の各種要因が、計測された医療評価指標の変化とどのように関連しているかを分析し、医療の質評価とその公表が医療機関の医療の質にどのような影響をあたえるかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集とデータベース構築は完了し、解析を進めている。次年度に詳細な分析結果をまとめる予定であるので、ほぼ、研究計画に沿って進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、本年度は、データベース構築と予備的な検討を進められたので、次年度に、分析結果の再現性の確認や、医療者の行動変容の要因、時系列分析などの詳細な分析を進める予定としている。
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