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2015 年度 実施状況報告書

積極的監視培養および除菌による病棟内MRSA分離率の低減

研究課題

研究課題/領域番号 15K08846
研究機関高知大学

研究代表者

武内 世生  高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, 准教授 (50253349)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード感染対策 / 耐性菌 / MDRP
研究実績の概要

MRSAを始めとする耐性菌の制御は、安全な医療を提供する上で極めて重要である。
本年度行った研究にて、申請者は以下の知見を得た。

1. 自動尿量測定器廃止に向けての取り組み
自動尿量測定器によって耐性菌が伝播する危険性は以前から指摘されている。メタロβラクタマーゼ陽性のS.maltophiliaが10日間で4例検出された。当該病棟にある自動尿量測定器の細菌培養により、S.maltophiliaは検出されなかったが、メタロβラクタマーゼ陽性のMDRPが検出された。自動尿量測定器の使用は危険と考え、廃止に向けての介入を開始した。まず、病院内にあるすべての自動尿量測定器の細菌培養を行い、MDRP、S.maltophilia、および ESBL産生大腸菌が検出されたため使用中止すべき、と院内に広報した。その後、診療科別の自動尿量測定器使用患者数と蓄尿患者数を毎月集計し、公表する事とした。さらに、自動尿量測定器の使用目的や廃止の可能性について、各診療科医師や病棟看護師と個別に検討した。その結果、病院全体の自動尿量測定器使用患者数は、同月の86人から、半年後には2人に減少した。そして、すべての自動尿量測定器を撤去した。蓄尿患者数は、当初の10人から、半年後には4人に減少した。その後、蓄尿は検査のために指定された日のみに行うだけとなった。危険の「見える化」、実態調査、調査結果の広報、スタッフとの個別検討などにより、自動尿量測定器の廃止を達成できたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

MRSAを対象とした研究課題であったが、多剤耐性緑膿菌(MDRP)などのMRSA以外の耐性菌による問題が大きくなったため、それらに関する検討を優先して実行したため。

今後の研究の推進方策

上記のように現時点ではやや遅れているが、今後は徐々に遅れを取りもどし、最終的には計画どおりに終了できると考えている。
研究方法の変更はない。
また、遂行上での課題もない。

次年度使用額が生じた理由

今年度の進捗がやや遅れているために、予定した額を使用する事ができなかった。

次年度使用額の使用計画

来年度には進捗の遅れを取り戻せると考えている。そのため、今年度と来年度の合計額を使用できる計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 自動尿量測定器廃止に向けての取り組み2015

    • 著者名/発表者名
      有瀬和美、西崎紗矢香、森田珠恵、八木祐助、武内世生
    • 雑誌名

      日本環境感染学会誌

      巻: 30 ページ: 422-427

    • 査読あり
  • [学会発表] 高知大学医学部における感染対策卒前教育の取り組み2015

    • 著者名/発表者名
      有瀬和美、武内世生、瀬尾宏美
    • 学会等名
      第47回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県新潟市)
    • 年月日
      2015-07-24 – 2015-07-25
  • [図書] 感染管理・感染症看護テキスト2015

    • 著者名/発表者名
      有瀬和美、武内世生
    • 総ページ数
      492 (259-264)
    • 出版者
      照林社

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公開日: 2017-01-06  

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