研究課題/領域番号 |
15K08849
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 龍 九州大学, 医学研究院, 助教 (60744589)
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研究分担者 |
北園 孝成 九州大学, 医学研究院, 教授 (70284487)
鴨打 正浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (80346783)
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 予後 / コホート / 追跡調査 |
研究実績の概要 |
本研究では、脳卒中患者における長期予後に影響を及ぼす因子について疾患コホートを用いて明らかにすることを目的としている。疾患コホートには、福岡脳卒中データベース(Fukuoka Stroke Registry:FSR)を用いている。FSRは福岡県下の7つの脳卒中専門病医療機関によって構成され、発症7日以内の脳卒中患者が対象となっている。 2007年6月から患者の同意取得の上、登録が開始され、2017年3月31日現在、13355名が登録されているが、同意取得率は89%である。また対象症例に対しては、トレーニングを実施した看護師が臨床研究コーディネーターとして参画し、電話による予後調査を、発症後3カ月、6カ月、1年、以後1年ごとに行なっている。現在の追跡率は92%である。入力した情報はセキュアの高いサーバーで管理するとともに、専門の臨床研究コーディネーターによりデータクリーニングを実施し、データの質の確保に努めている。データの整合性について、専門医師、専門臨床研究コーディネーターにより確認し、不明な点については各医療機関への問いあわせ、カルテ閲覧により情報の確認と再収集を行い、対処した。また本研究課題に準じたデータ加工作業にも着手した。 本研究においては、解析を専門とする領域との意見交換や慢性期の実態を理解するために現場の医療者との意見交換が必要であり、外部講師の招聘や学会参加も積極的に行った。 さらに、これらのデータを用いて脳卒中の発症や予後に関する解析を実施し、予後に与える因子について別の角度から検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は昨年度に引き続き、データの収集を主として行なった。収集したデータはデータベースに入力し、あわせてデータの整合性についてデータクリーニング作業を行った。情報が曖昧な点については、各医療機関に問い合わせる、あるいは実際に各医療機関でのカルテ閲覧により情報収集した。追跡情報については、判定会議を行い、連絡が取れなくなった人の脱落の判定を行なった。またイベントの発生についても、入手した情報を元にイベント委員会にイベント判定を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
データの収集、クリーニング、追跡予後調査は引き続き、実施する。 一方で、次年度は研究計画に従い、固定したデータセットを用いて分析を行なう。分析の結果は学会発表や各専門家との意見交換を行うことで多面的にその妥当性について検証し、その有用性について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度のデータ収集業務およびクリーニング業務については、雇用を確保し作業を行う予定であった。実際の症例登録数が当初見込みより増加したことやクリーニング作業が増加したことから、必要な十分量の人材の確保が困難であった。そのため、次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、データ入力、クリーニング作業のための人材を確保し、遅滞のないよう業務を進めていく。また、データ解析についても多様な方法論から求めていくため、多量の解析を行えるよう作業分担できる人材を確保するだけでなく、さまざまな角度から解析結果を検証するため、専門家との意見交換を行なう予定である。さらにその成果を国内外の学会等で発表するとともに専門学術誌への掲載をめざす。
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