研究課題/領域番号 |
15K08858
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小島原 典子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50226867)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 文献検索 / システマティックレビュー / 診療ガイドライン |
研究実績の概要 |
文献検索を正しく行うには、文献データベースの選択、検索式の作成などの知識と、効率的な検索のためのスキルが必要である。文献検索の専門家である司書と、専門分野の臨床医、研究者の共同作業により文献検索の精度を上げ、複数回の検索が必要である。
本研究では、基本的検索(特異度を優先した絞り込み検索)と比較することで、診療ガイドラインのためのスコーピングサーチと感度を優先した網羅的検索について標準的な手順を提案する。PICO検索、つまり、基礎研究においてはリサーチクエスチョン(research question;RQ)、臨床研究においてはクリニカルクエスチョン(clinical question;CQ)を活用して検索を行う。RQ,CQそれぞれP(対象)、I(介入)/E(ばく露)、O(結果)の成分に分け、キーワードをMeSHなどシソーラス語に置き換えて文献検索を行うことで、設定したRQ,CQに答える一次研究を網羅的、効率的に探す。フィールドの絞り込み、システマティックレビューなどの二次研究に使用されている検索式を参照することも効率を上げることが可能である。
診療ガイドラインのための文献検索でも1つの検索式ですべての論文を抽出しようとすると、検索式は複雑になり、検索数も膨大となる。網羅的文献検索においても、複数の検索結果から段階的に文献集合を作成する、または、ハンドサーチの結果を追加するなども透明性を担保できれば十分可能であり、高い再現率、高い適合率(益)と コスト 労力(害)のバランスを考慮して網羅的文献検索を行う方法を提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これらの成果をまとめた報告書はおおむね完成しているが、平成30年度には、文献検索を行う医師、看護師、研究者の一般書の出版を予定し、現在研究協力者とともに執筆中である。また、PICOによる文献検索行うウェブサイトを計画しているが、データベースの構築に時間がかかっている。平成30年中に公開を予定し、本研究の成果である、PICOによる文献検索の普及に努める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
一般書の出版、ウェブサイトの構築とも平成30年度中に完成の見通しが立っており、更なる研究計画の変更は不要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果の報告書の印刷、郵送費用、一般書出版の編集費用、ウェブサイト構築費用が平成30年度に支出されるよう延期となったため。
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