研究実績の概要 |
システマティックレビューは、診療ガイドラインの作成の手順としても必要性が高まり、エビデンス統合の方法論は完成しつつあるが、文献検索についてはエビデンスが乏しいため、検索技術、データベース、サーチフィルターなどの文献調査を行った。また、包括的なPubMed検索と適切な選定作業を支援するウェブツール(pmSearch)を作成し、その有用性を検討した。pmSearchは、クライアント側HTMLファイルを作成・保存するPubMed文献検索・文献選定支援ツールである。「急性虫垂炎に対して、抗菌薬点滴投与は、虫垂切除に比べて有用か(P: acute appendicitis, I: anti-bacterial agents, C: appendectomy, O: recurrence, major complications, duration of hospitalization)」というクリニカルクエスチョン(CQ)の、PとIの MeSHのタグを組み合わせ、自動的に作成された検索式をPubMedに送信し、文献リストを作成した。標的文献が一つ追加ごとに、選定された文献と除外された文献の数件(対照文献)のタイトルとアブストラクトの単語の頻度を解析した。最終的に、Work Saved over Samplingを計算し、効率化の指標とした。AppendicitisとAnti-Bacterial Agentsをkey wordとし、Publication typeをランダム化比較試験に限定した検索で179件の文献が得られた。ひとつの標的文献サンプルが見つかるたびに、尤度を計算し、それに基づくソーティングを5回繰り返し、全体で40件の文献の判定で4件の標的文献が得られ、Work Saved over Samplingは0.75となった。
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