研究実績の概要 |
受療行動調査を用い患者満足度の経時変化を検討し、それに影響を与える因子探索、介入効果の推定を行う目的に従い、3年目の本年は以下の研究を実施した。平成8年度から平成26年度までの計7回の受療行動調査のデータ(平成8,11,14,17,20,23,26年度)の必要項目について統計法第33条に基づく申請で入手し、前年に引き続き解析ができるようデータベースを構築するためのプログラムを開発した。 このプログラム開発にあたっては前年同様、外来・入院患者別、基本集計、関連集計にわけることで、6×2×2=24のプログラムが実装できるように準備を進めた。患者満足度、医師の説明に対する理解度など患者の主観的なアウトカム(Patients reported outcomes)の経時的変化に影響を与える因子探索については、前年にデータの示す実態把握が完了したことを受け、これら年次別データセットの検討を実施した。病院環境の改善などの介入効果の推定(統計モデル)については、前年度からの検討を引き継ぎ、マルチレベルモデルを用いた経時変化の大きさが議論可能な統計モデルの検討を続行中である。前年に引き続く検討ではあるものの、複雑な統計モデルの使用によりパラメータ推定における収束の問題があり、期待するような統計モデルになっていない現状がある。この問題の解決策として、より柔軟かつ簡潔な統計モデルの構築をすべく、各種文献および研究者との討議を行った。前年度に引き続き国内外の研究論文など文献の収集を実施し、最新の研究動向を取り入れた解析モデル構築の準備を進めた。
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